8月15日(現地時間)、Gentooチームはメインパッケージリポジトリ「Portage」ツリーのベースをCVSからGitへと変更した。2006年にマイグレーションを検討して以来、実に9年越しのプロジェクトとなる。Portageツリーはすでにgit.gentoo.orgからWebインタフェースでの利用が可能になっている。ただしユーザの使い勝手を配慮し、rsync、webrsync、snapshotsなど既存のメカニズムとの互換性は維持されている。
Gentooチーム内で最初にGitへの移行が検討されたのは2006年の「Google Summer of Code」でのこと。だが当時はGit自身もリリースされてから日が浅く、「CVSよりもはるかにリソースを食い、しかも遅い」「コンバージョンに7日もかかる」などの欠点が目立ったため、CVS続行という決断に至っている。
その後、機能改善を重ねたGitがしだいに分散型バージョン管理システムの主流となり、多くのメジャーディストリビューションが開発をGitへと移行していく。当然、Gentoo Linuxでも開発者の間でGitへの移行を望む声が増えつつあったが、正式な移行アナウンスが出たのは2015年7月のこと。長い時間をかけてようやくGentooユーザはGitユーザとなった。
ネット上ではGentoo開発者に拠る「はじめてのGitコミット」報告がぽつぽつとではあるが出始めている。将来的にはGitHubのようなプルリクエストを受け付ける場を設けていく予定もあるそうだ。Gitに変えたことでプロジェクト自体が大きな進化を遂げたオープンソースプロダクトは少なくないが、はたしてGentoo Linuxにも目に見えるような変化は現れるのだろうか。