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2016年3月16日コピーオフロード機能、Btrfsパフォーマンス改善 ─細かなアップデート中心のLinux 4.5がリリース

Linus Torvaldsは3月13日(米国時間⁠⁠、Linuxカーネルの最新版である「Linux 4.5」を正式公開した。7本のリリース候補(rc)版を出したあとの公開で、Linusは「rc8を出すかどうか、かなり迷った」とコメントしているが、rc7まで課題として残っていたネットワーク周辺のバグなどをほぼ解決できたためリリースに踏み切ったとしている。

LKML: Linux 4.5: Linus Torvalds

Linux 4.5のおもな機能追加および改善点は以下のとおり。

  • cpより若干速い新システムコール「copy_file_range(2)」の追加
  • AMDのグラフィクスドライバ(Catalyst)のパフォーマンスを向上する「AMD PowerPlay」の試験的サポート
  • Btrfsにおけるフリースペースキャッシングのパフォーマンスおよびスケーラビリティ改善
  • GCCのデバッギングツール「UBSAN (Undefined Behaviour SANitizer)」のサポート
  • デバイスマッパーのverityターゲットに「Forwarded Error Correction」機能がサポート
  • システムコール「madvise(2)」に必要に応じてページをフリーにできる「MADV_FREE」機能が追加
  • 複数のファイルディスクリプタを監視するイベントハンドラ「epoll」のスケーラビリティを改善
  • cgroupにおけるヒエラルキー制御の安定化
  • UDPソケットのオプション「SO_REUSEPORT」のパフォーマンス改善

全体的に大きなアップデートは少なく、グラフィックやネットワークのパフォーマンスやスケーラビリティ改善が中心。ファイルシステムやメモリ制御のアップデートも目立つ。より大きな機能強化は4.6で行われることになりそうだ。なお、LinusはすでにLinux 4.6のマージウィンドウをオープン、次のリリースに向けて動いている。

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