The Fedora Projectは6月21日(米国時間)、「Fedora 24」を正式公開した。「Workstation」「Server」「Cloud」の3つのディストリビューションが用意されている。当初の予定から1ヵ月以上、実に4度の延期のあとにようやくGAとなった難産のバージョンとなった。
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Fedora 24はLinuxカーネルにLinux 4.5.7を、デフォルトデスクトップ環境にGNOME 3.20.2を採用している。開発チームは5月時点での最新カーネルであるLinux 4.6を実装する予定だったが、十分なテスト期間を取ることができなかったため、4.5の最新アップデートであるLinux 4.5.7が採用された。なお、開発チームは数週間以内にFedora 24のLinux 4.6へのバージョンアップを予定している。
GNOME以外のデスクトップ環境としてはKDE Plasma、Xfce、MATE、LXDE、Cinnamon(Linux Mintで一般的なデスクトップ)などがコンフィギュレーションされた状態で用意されている。なお、Fedora 24では当初、デフォルトのグラフィック環境がXからWaylandにリプレースされる予定だったが、最終的に見送られており、次期バージョンのFedora 25の開発で引き続きデフォルトへの取り組みが続けられる。
Fedora 24では新たにFlatpak(以前は"xdg-app"と呼ばれていた)という機能が追加されている。これは"Build Once, Run Anywhere"(一度ビルドすればどこでも動く)というコンセプトのもとに開発されたデスクトップアプリケーションのためのフレームワークで、特定のアプリケーション(LibreOfficeやGIMPなど)を"Flatpak"としてスクラッチからビルドし、他のLinuxディストリビューション上でもインストール/動作可能な状態にすることができる。現在、Flatpakはサンドボックス化に向けて開発が続けられており、移行先のOSや他のアプリケーションから隔離されたセキュアな状態でのアプリケーション実行が可能になるのはFedora 25以降となる。
またFedora 24ではARMアーキテクチャに対応したバージョンがWorkstationだけでなくServerでも提供される。Serverではこのほか、統合セキュリティ情報管理ソフトウェアであるFreeIPAが含まれる。
その他の主なソフトウェアとしては
- NetworkManager 1.2
- LibreOffice 5.1
- MONO 4.2
- GCC 6
- Boost 1.60
- Node.js 5.10
- Python 3.5
- Ruby 2.3
などがFedora 24に含まれる。