Ubuntu開発チームのsytemd担当者でCanonicalに在籍するマーティン・ピット(Martin Pitt)は7月29日(世界標準時)、Ubuntu開発者向けのメーリングリストに宛て、デスクトップ版からクラウド版までを含むすべてのUbuntuバージョンで共通のネットワークコンフィギュレーションを提供することを目的に、新たに「netplan」プロジェクトを開始したことを発表した。これに伴い、netplanを実装したパッケージ「nplan」が10月リリース予定の「Ubuntu 16.10(開発コード"Yakkety Yak")」で提供されるという。
- Annoucing netplan -- Consolidated YAML network configuration across Ubuntu : Martin Pitt
- netplan in Launchpad
現在、Ubuntuではデスクトップ/サーバ版とクラウド版がデフォルトで管理するネットワークインタフェースがそれぞれ異なっている。デスクトップ/サーバ版はインストーラが自動で/etc/network/interfacesにifupdownを生成し、一方クラウド版ではYAMLベースのフォーマットを利用している。どちらもGNOME上のネットワーク設定ツールであるNetworkMangerとの相性がよくなく、networkdのサポートも提供されない。
この状態を解決するため、netplanでは新たに「/etc/netplan/*.yaml」というネットワーク設定ファイルをすべてのUbuntuバージョンに提供する。どのバージョンのインストーラも自動で*.yamlとしてインタフェースを生成するので、/etc/network/interfacesは不要になる。
netplanによるメリットは「異なるバックエンド間でもダイナミックに切り替えられること」とピットはコメントしている。なお現状でサポートするバックエンドはnetworkdとNetworkManagerのみ。
Ubuntuプロジェクトでは10月にリリースされるUbuntu 16.10において、このnetplanプロジェクトを具現化したパッケージ「nplan」を実装する予定だ。
NetworkMangaerと/etc/network/interfacesの衝突は過去に多くのUbuntuユーザから報告されてきた。neplanとnplannにより、ようやくバージョンを問わず、シンプルなネットワーク設定方法を提供する第一歩を踏み出すことなる。