The Linux Foundationは11月16日(米国時間)、MicrosoftがThe Linux Foundationのプラチナメンバーとしてジョインしたことを発表した。ニューヨークで開催中の同社のデベロッパ向けカンファレンス「Connect();」において、Microsoft自身もこのニュースを発表している。
Microsoftの"赤シャツ"こと、クラウド&エンタープライズ部門のバイスプレジデントであるスコット・ガスリー(Scott Guthrie)は、「クラウドプラットフォームカンパニーとして、我々はデベロッパがプラットフォームや開発言語をもっと使いやすくなるよう、支援していくつもりでいる。The Linux FoundationはLinuxにとってのホームというだけでなく、多くのイノベーティブなオープンソースプロジェクトのホームでもある。The Linux Foundationに我々がジョインできること、そしてデベロッパがインテリジェントクラウドやモバイルエクスペリエンスへとシフトしているこの流れを活用できるようにコミュニティを支援できることに、とてもエキサイトしている」とコメントしている。
またThe Linux Foundationのエグゼクティブ・ディレクターであるジム・ゼムリン(Jim Zemlin)は、「MicrosoftはLinuxとオープンソースの熱狂的なサポーターであり、多くの重要なプロジェクト(Node.js Foundation、OpenDaylight、Open Container Initiatives、Rコンソーシアム、Open API Initiatives)のアクティブメンバーでもある。Microsoftがメンバーになることは同社にとって重要なステップだが、オープンソースコミュニティにとっても同様だ。Microsoftが貢献のレンジを拡げることで、コミュニティが得られるものは大きい」と歓迎のコメントを寄せている。なお、MicrosoftからAzureチームのアーキテクトであるジョン・ゴスマン(John Gossman)がThe Linux Foundationのボードメンバーとして参加することになる。
ちなみにThe Linux Foundationにおけるプラチナメンバーとは、3段階あるメンバーシップの中で最上位。Linuxや他のオープンソースプロジェクトをさまざまな面からサポートし、相当額の協賛金を提供する。Intel、Cisco、HPE、IBM、Oracle、Qualcomm、Samsungのほか、日本企業では富士通とNECがプラチナメンバーとなっている。
サティア・ナデラ(Satya Nadella)がCEOに就任して以来、ガスリーの指揮のもと、Microsoftがオープンソースにビジネスとして本格的に取り組んできたのは周知のとおりだ。すでにPowerShellやVisual Studioのコード、Xamarin SDKなどをオープンソース化しており、「Connect();」でもVisual Studio for Macをオープンソースとして発表している。
15年前、当時のCEOだったスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)が「Linuxはガン(cancer)」とLinuxの存在を全否定したことを忘れられないLinuxユーザも多いだろうが、The Linux Foundationへの参加は、その過去にはもう戻らない決意を内外に示したと言えるのかもしれない。