Linus Torvaldsは12月11日(米国時間)、Linuxカーネルの最新版である「Linux 4.9」を正式公開した。「これまででもっとも大きなリリースだと確信している」とLinusが明言しているとおり、総コード行数は約2234万行、5万6000を超えるファイルで構成されており、過去最大サイズのカーネルとなっている。
- Linux 4.9 :Linus Torvalds
Linusは「4.9はサイズ以外はそれほど大きなリリースじゃない」としているものの、グラフィクス関連、とくにGPUまわりでいくつかの大きな変更が実施されている。そのひとつがAMD Radeonの旧世代グラフィックカード「Southern Islands(GCN 1.0 / HD7000シリーズ)」を、実験的にAMDGPU DRMドライバ(オープンソース)でサポートするようにしたことだ。これに伴い、Southern Islandsのメインラインでのサポートは次回以降、デフォルトではdisaableになる予定だ。また、AMDGPU DRMにも多くのパッチが当てられており、今回からはバーチャルディスプレイ機能も提供され、リセット機能も改善している。
Intel DRMに関してもいくつかのフィックスが実施されており、Skylakeサポートの改善や、DMA-BUF(DMAバッファ)におけるインプリシットフェンシングのフルサポートなどが含まれている。また4.9からIntel Integrated Sensor Hub(ISH)もサポートされた。
その他、 Raspberry Pi ZeroやLG Nexus 5など29のARMマシンが新たにサポートされたほか、EFIのテストドライバが新たにメインラインに追加されている。
Linux 4.9のリリースに伴い、Linusは次のバージョンである「Linux 4.10」のマージウィンドウをオープン、プルリクエストの受付を開始している。