Canonicalのソフトウェアエンジニアであり、Ubuntuの開発者でもあるDimitri John Ledkovは12月16日(英国時間)、自身のブログにおいて、2017年4月にリリース予定の「Ubuntu 17.04(開発コード"Zesty Zapus")」ではインストールの際にこれまでデフォルトでディスク上に作成していたスワップパーティションを作成せずに、新たに"Swapfiles"を使う予定であることを明らかにした。
- Surgut: Swapfiles by default in Ubuntu
Ledkovは「メモリカードが4MBの時代はもう過ぎた。そしてディスクはNVMeやSSDの時代になっている。高性能なディスク上にスワップのための領域を確保するなんて、あまりにも無駄すぎる」とハードウェア事情が昔とは大きく変わっていると主張する。現在ではほとんどのマシンが2GB以上のメモリを物理的に搭載しており、もはや"物理メモリの2倍の容量をスワップ領域としてディスクに確保しておく"という昔の常識は通用しなくなっている。「そもそもスワップ領域すら、ほとんど使われることがなくなってきている。仮に必要だとしてもサイズは適切に調整されるべき」(Ledkov)。
Canonicalはこうした時代の変化に伴い、Zapusからは非LVM環境でのインストール時にはスワップパーティションを作成することをやめ、かわりに"Swapfiles"をデフォルトで使うとしている。Swapfileのデフォルトサイズは全容量の5%以下、もしくは2GBのフリースペースを自動でディスクに確保するという(サイズの小さいほうが採用される)。加えて「スワップ領域そのものが必要ない」というユーザの場合はSwapfilesのパラメータを0に設定することも可能だ。もっともこの変更は非LVM環境のみで、LVM環境では適用されないが、スワップパーティションという概念は確実に過去の遺物になりつつあるのは確かなようだ。