Kubuntuプロジェクトの元開発者で、現在はUbuntuベースのディストリビューション「KDE neon」の開発者であるJonathan Riddellは1月20日(英国時間)、KDE neonのインストーラをUbuntu UbiquityからCalamaresに変更すると発表した。同じ日にCalamares 3.0がリリースされたことを受けてのもので、すでに開発者向けのUnstable版でテスト中だという。
- KDE neon Inaugurated with Calamares Installer
Calamaresは、ベースとなっているLinuxディストリビューションに依存しない汎用的なインストーラフレームワークでC++で書かれている。ライブラリとしてQt 5が使われているので、KDEをデスクトップ環境にするディストリビューションと相性がよく、C++やPythonのモジュールを利用できる点が大きな特徴だ。また、最近数が増えてきているローリングリリースモデルを採用するディストリビューションでもよく使われている。現在Calamareを採用している主なディストリビューションとしては、Chakra、Majaro、Netrunner、Sabayon、Tangluなどがあり、FedoraもサードパーティのリポジトリパッケージでCalamaresを提供している。
Riddellはブログにおいて「(Caramaresは)とても良い感じで動作している」とコメントしているが、OEMモードやLUKSによるディスク暗号化といった部分でいくつかの修正すべき点もあるとしている。
KDE neonはUbuntuのLTS版をベースにしたディストリビューションだが、RiddellをはじめとするKDE neonの開発メンバーは「neonはディストリビューションというよりはUbuntuのKDEパッケージ」と主張している。Ubuntu LTSという安定したLinux環境の上に、最新のKDEソフトウェアやQtのモジュールを実装することで、安定性と先進性を両立させようとするneonだが、Calamaresの採用でよりKDEに特化したパッケージへと進化していくことになる。