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2017年1月31日GNOMEのキャッチアップはもう限界 ―SolusプロジェクトがデスクトップをQtベースに変更へ

Linuxカーネルから独自のスクラッチOSを開発するLinuxプロジェクト「The Solus Project」は、GNOME互換のデスクトップ環境「Budgie」を自前で作成していることでも知られている。現在Budgieはバージョン11に向けて開発が進んでいるが、Solusプロジェクトの開発者であるIkey Dohertyは1月25日(アイルランド時間⁠⁠、Budgie 11ではGNOMEをベースにしない意向を明らかにしている。

Kicking Off Budgie 11 /Explaining the deGNOMEing

BudgieのベースをGNOMEから変更する理由についてDohertyは「GNOMEのメジャーリリースが出るたびに、Budgieには統合のための大きな負荷がかかる。BudgieがスタートしたGNOME 3.10から現在のGNOME 3.22に至るまでずっとその状態が続いている」とコメントしている。バージョンアップのたびに大きな変更を余儀なくされるGNOMEは、Solus/Budgieのようにスクラッチから開発するOSにとって負荷が大きすぎるという。Dohertyは「僕はGNOMEプロジェクトを本当にリスペクトしている」としながらも、⁠GNOMEはAPI/ABIともに変更が多すぎるし、複雑性も増している。小さな通知メッセージひとつを表示させるにも、数多くの複雑なプロセスを経なければならない」とGNOMEがBudgieの開発にとって大きな負荷であると強調、Budgie 11の開発における最優先事項は「GNOMEスタックからBudgieを分離させること」としている。

ではGNOMEから離れたのち、SolusとBudgieは何をデスクトップのベースにするのか。Dohertyはいくつかの可能性を挙げたのち、⁠Qtが次のBudgieにはもっとも適している」と結論づけている。ただしKDEのライブラリを使うのでも、Plasmaとの互換性を目指すのでもなく、⁠GNOMEアプリケーションを動かすことを視野に入れている」⁠Doherty)こともあって、Qt/C++による独自のデスクトップ環境を開発していきたいとしている。どうやら2017年中には"新生Budgie 11"が実装されたSolusを見ることになりそうだ。

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