Debian開発チームは3月15日(米国時間)、次期バージョンとなる「Debian 9 "Stretch"」においてAndroidアプリ開発者のためのサポートを拡充すると発表した。Stretchを使うAndroid開発者は、基本的にはDebianが提供するパッケージさえあればAndroidアプリが開発できるようになる。
- Build Android apps with Debian: apt install android-sdk :Bits from Debian
DebianがAndroidアプリ開発用に提供するパッケージは、プラットフォーム「Android SDK 23」とビルドツール「Android SDK Build-tools 24.0.0」をベースにしたもので、一部のGoogleバイナリなどは含まれない。したがってDebianが提供するパッケージだけでAndroidアプリを作成できるものの、開発のフレキシビリティが削がれてしまっているのは確かだ。
これに対しDebian側は「この2つだけでAndroidアプリ作成に必要なあらゆるライブラリをすべてカバーできるわけではない。Debian Android Toolsチームとしては、今後はカバーできていないGoogleバイナリを中心にパッケージに含めていけるようフォーカスする」とコメントしている。
Androidのライブラリをどこまで含めるかという線引きはDebian開発チームにとっても難しい判断だったらしく、Android SupportのようにDebianアプリでは使われることのないライブラリをすべて含めてしまうことに対する疑問の声も多く出たようだ。試行錯誤のスタートとなったが、今後はユーザのフィードバックを見ながら、追加するAPI/ライブラリを増やしていく方針だとしている。