Unity 8およびUbuntu Phoneの開発中止など、Ubuntu 17.04(開発コード: ZestyZapus)のリリース直前に騒がしいアナウンスが続くCanonicalとUbuntuだが、どうやらUbuntuにとって現在はさまざまなことをリニューアルする時期のようだ。4月12日、CanonicalのCEOであるジェーン・シルバー(Jane Silber)は7月までにCEO職を退任する意向を明らかにした。シルバーの後にはUbuntu/Canonicalファウンダーのマーク・シャトルワース(Mark Shuttleworth)がCEOに復帰する。
- A new vantage point | Ubuntu Insights
2004年、設立されたばかりのCanonicalにCOOとして参加したシルバーは2010年にシャトルワースに請われてCEOに就任、Canonicalのビジネスを最前線で支えてきた。当初の任期は5年だったが、すでにその期間を超えており、「Canonicalは新しいフェーズに入っている。次のリーダーにバトンを渡すため、今年に入ってからマークと話し合いながら退任の時期を検討してきた。そしていまこそそのタイミング」と職を辞するタイミングを探していたとコメントしている。
7月からはシャトルワースがCEOに復帰する予定で、シルバーはCanonicalのボードメンバーとしては残るが、徐々にCanonicalの活動からは離れ、新たなキャリアを歩むことを示唆している。「私はこれほどまでに、インテリジェントで、情熱的で、有能な人々に囲まれて仕事をしたことはない。長年に渡ってCanonicalとUbuntuコミュニティから得た経験と信頼が与えてくれたものを、私は言葉にすることはできない」(シルバー)
「次の世代に(Canonicalの経営を)バトンタッチする」としながらも、Ubuntuの開発方針が大きく揺れている現在、シャトルワース以外にCanonicalとUbuntuをリードできる人物はそうはいない。だが、シルバーの言葉にあるようUbuntuもCanonicalも新しいフェーズに入っており、そろそろシャトルワースやシルバーに代わるアイコンが求められているのも事実だ。シルバーは退任までの3ヵ月間で、経営やコミュニティ運営にまつわるノウハウを新しいエグゼクティブ候補たちに伝えていくことに注力するとしている。次世代のリーダー探しはどのコミュニティにとっても難しい。