オープンソースプロジェクト、とくにUbuntuやDebian、Fedoraなどユーザ数が多いLinuxディストリビューションは、ライセンスの関係から特定のソフトウェアのパッケージングを避けることが多い。FedoraにとってMP3はまさにそういう存在であった。だがそのパテント問題もようやく決着がつくことになる。Fedoraは5月5日(米国時間)、Fedora WorkstationにおけるP3のフルサポートを行うことをアナウンスした。
- Full MP3 support coming soon to Fedora
今回の決定は、これまでMP3のライセンス保有を主張していたドイツのIIS FraunhoferとフランスのTechnicolorがライセンスプログラムの失効を4月23日に表明したことに基づいている。これを受けてRed Hatの法務部門は5月5日にFedora WorkstationにおけるMP3のフルサポートへのGoサインを出し、今回のFedoraプロジェクトによるアナウンスとなった。
Fedoraはすでに2016年11月、MP3デコードに関するライセンスのエクスパイアを受け、mpg123ライブラリ/GStreamerによるMP3デコードを可能にしている。つまりユーザはプラグインを通してMP3音楽ファイルを聞くことはできるようになっていたが、今回の決定によりMP3エンコードも可能となり、MP3ファイルの作成も自由にできるようになる。サードパーティのリポジトリを使う必要もない。MP3の関連ファイルをFedoraパッケージに含める作業はこれからだが、それほど遠くない時期にMP3のフルサポート込みのFedoraが公開されるはずだ。