Devuan Projectは5月25日(米国時間)、「Devuan "Jessie" 1.0.0(LTS)」を公開した。2014年11月にDebianからフォークして以来、記念すべき最初の正式版リリースとなる。
- Devuan Jessie 1.0.0 stable release (LTS)
Devuan Projectはその名前からもわかるように、Debianをベースにしたオープンソースプロジェクト。Debianは現バージョンの8.0(Jessie)からデフォルトの起動システムをsystemdに変更しているが、この決定に不満をいだいたメンバーが「起動システム選択の自由」を訴え、systemdフリーな"もうひとつのDebian"を目指してローンチしたのがDevuanとなる。5月5日に最終のリリース候補版となる「Devuan Jessie 1.0.0 RC2」が公開されていたが、クリティカルなバグなどもなく、RC2から約3週間後という短い期間での正式リリースとなった。また"LTS"が付いているとおり、Devuan 1.0ではセキュリティアップデートやパッチ提供などでの長期サポートを約束している。
Devuan 1.0はDebian 7 "Wheezy"およびDebian 8 "Jessie"からのアップグレードが可能になっている。また、Raspberry Pi 2/3、Acer Chromebook、Banana PiなどメジャーなARM搭載マシンを数多くサポートしている点も特徴のひとつだ。
Devuan Projectのアナウンスによれば、「Gunions」「Dowse」「Vuu-do」などDevuanをベースにしたディストリビューションもいくつか登場しており、また、すでに何社かのエンタープライズ企業から導入の相談も受けているようだ。「Init Free - OSに起動システムの自由を!」を掲げ、サステナブルな"オルタナティブDeiban"をめざすDevuan。systemdが全盛の現在、どこまでその独自なスタイルの支持層を拡大できるかが注目される。