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2017年7月6日Fedora、Atomic Hostエディションのライフサイクルを変更へ

延期に次ぐ延期でなかなかリリースされない「Fedora 26」だが、現在のステータスはベータ版で、正式リリースは7月中旬ごろと見られており、⁠Fedora 26 Workstation」⁠Fedora 26 Server」⁠Fedora 26 Atomic Host」の3つのエディションの提供が準備中だ。カーネルにはLinux 4.11、デスクトップ環境にはGNOME 3.24がデフォルトで搭載される予定となっている。

Fedora 26 Beta now available - Red Hat Blog

今回はともかく、Fedoraは基本的に6ヵ月に一度の頻度でアップデートが行われる。各バージョンのサポート期間は1年間であるため、たとえばFedora 26であれば、2つあとのアップデートである「Fedora 28」のリリース直後までサポートされることになる。これはどのエディションも共通だ。だがFedora 26以降、このサポート方針が変更されることになりそうだ。Fedoraチームは6月26日、Atomic HostエディションのライフサイクルをWorkstationおよびServerとは別にする意向を明らかにしている。

Upcoming Fedora Atomic Host lifecycle changes - Fedora Magazine

「Fedora Magazine」によれば、Atomic Hostエディションは現在、2週間に一度の頻度でリリースされており、これは他のエディションに比べて非常に速い開発ペースとなっている。Atomic HostのキーコンポーネントであるDockerやKubernetesも頻繁にアップデートされており、⁠古いバージョンのメンテナンスよりも、最新版のテストやインテグレーションにフォーカスしたい」という声がAtomic Working Groupから上がるようになっていた。⁠古いバージョンのOSをメンテナンスしながら使う」という発想はアプリケーションセントリックなコンテナワークロードには向いてなく、実際、Atomic Hostに関しては前リリースに対する大きなテストや修正はほとんど行われなくなっている。

こうした背景から、FedoraではFedora 26以降のライフサイクルを見直し、他のエディションとは独立したシングルバージョンの「Fedora Atomic」としてリリースされる見通しとなりそうだ。Atomicのユーザはアップデートをインストールすれば自動で最新版にシフトすることになり、デフォルトが最新版という環境になる。不具合が発生した場合は以前のバージョンにロールバックする機能も提供される予定だ。ホストOSのバージョンアップにアプリケーションがあわせるのではなく、アプリケーションの進化にホストOSが対応する流れが本格化しているのかもしれない。

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