Xに代わるウィンドウシステムとして開発が進められているWaylandだが、GNOMEのデフォルトとして実装されるなど確実に普及は拡がりつつあるものの、Waylandでは動かないソフトウェアも多く、Xを完全にリプレースする存在となるにはまだ時間がかかりそうだ。
そんななか、Red HatのシニアソフトウェアエンジニアであるJonas AdahlがWaylandコンポジタでもあるGNOMEウィンドウマネージャ「Mutter」に以下の2つの新しいD-Bus APIを追加した。
- org.gnome.Mutter.RemoteDesktop
- org.gnome.Mutter.ScreenCast
これにより"GNOME on Wayland"な環境においてリモートデスクトップ機能を利用することが可能となる。
- Remote desktop capabilities making a comeback in GNOME on Wayland - Ctrl blog
GNOMEはGNOME 3.22からWaylandをデフォルトのウィンドウサーバとしているが、GNOMEに含まれるリモートデスクトップサーバ「Vino」はWayland対応が遅れている。そのため、Fedora 25のようにGNOME 3.22を搭載したディストリビューションの場合、ユーザはRDPやVNCが使えるようになるまでアップストリームの登場を待つしかなかった。今回、Adahlが追加したAPIにより、ユーザは少なくともアップストリームが登場するまでの"つなぎ"の環境は手にすることができそうだ。