Fedoraプロジェクトは12月11日(米国時間)、11月にリリースされた「Fedora 27」のサーバ版となる「Fedora 27 Server classic」をリリースしたことを明らかにした。Fedora 27はすでに「Workstation」と「Atomic」の2エディションが正式リリース済みだが、サーバ版に関してはモジュラー化を図った「Fedora 27 Modular Server」のベータ版を出すにとどまっており、1ヵ月後である12月中旬に正式リリースするとアナウンスしていた。しかし結局、モジュラー化計画は"白紙"となり、前バージョンのFedora 26 Serverをアップデートしたエディション"classic"としてリリースすることで、これ以上の遅れを避けたとみられる。
- Fedora 27 Server classic release after all ―and Modularity goes back to the drawing board -Fedora Nagazine
Fedora Serverのモジュラー化を担当していたワーキンググループは計画の立て直しとなり、引き続きモジュラー化の作業を続けるものの、基本的には従来のFedora Serverとは別のパッケージリポジトリとして開発される見通しだ。
ざっくりといえば"失敗"に終わった感のあるモジュラーサーバの取り組みだが、FedoraのプロジェクトリーダーであるMatthew Millerは「"First"であること、それはFedoraプロジェクトを支える重要なコアのひとつだ」と上記の「Fedora Magazine」でコメントしており、先進的な機能を実装していくことをミッションとしているFedoraにとって、たとえ直接的な成功にはつながらないにせよ、今回のようなステップは不可欠だったことを強調している。「いつもトライが成功していたら、Fedoraは十分に努力することをしなくなってしまう」というMillerの言葉が示す通り、今回の"失敗"がFedoraの次のイノベーションへのきっかけとなることが望まれる。