Red Hatは1月30日(米国時間)、コンテナ/Kubernetesのリーディング企業であるCoreOSを2億5000万ドルで買収することを発表した。Red Hatのプロダクト&テクノロジ担当プレジデント Paul Cormierは「我々は今回の買収がRed Hatがハイブリッドクラウドおよびモダンアプリケーションデプロイメントにおけるポジションを強固にするものと信じている」とコメント、コンテナビジネスにおけるシェア拡大を狙う姿勢を明らかにしている。
- Red Hat to Acquire CoreOS, Expanding its Kubernetes and Containers Leadership - Red Hat
- CoreOS to join Red Hat to deliver automated operations to all | CoreOS
CoreOSは2013年に創業したオープンソースカンパニー。軽量コンテナの稼働に特化したLinuxディストリビューション「CoreOS」、CoreOSとKubernetesを組み合わせたエンタープライズレディなコンテナプラットフォーム「CoreOS Tectonic」、コンテナリポジトリサービス「Quay」などのポートフォリオを抱える。Kubernetesに関してはGoogleが開発を開始した2014年から参加しており、Googleと並ぶKubernetesのエキスパート集団として知られている。
Red Hatは今回のCoreOS買収により、同社のコンテナプラットフォーム「Red Hat OpenShift」とTectoniの統合を図ると見られている。Red Hatには「Red Hat Enterprise Linux Atomic Host」という軽量コンテナの稼働に特化したOSがあるが、今後はTectonicとのマージが課題となる。
2017年にコンテナオーケストレーションの支配的ソフトウェアとなったKubernetesは、現在、The Linux Foundationの配下にあるプロジェクト「CNCF(Cloud Native Computing Foundation)」の下で開発が続けられている。中心メンバーはKubernetesを最初に開発したGoogleのほか、Microsoft、Amazon、OracleなどIT業界の巨大企業が名を連ねており、もちろんRed Hatも参加している。今回のCoreOS買収により、KuberentesにおけるRed Hatの影響力拡大は必至で、Cormierのコメントどおり、コンテナ/Kuberentesでの同社の地位向上に注目が集まるのは間違いないようだ。