CanonicalでUbuntuデスクトップマネージャを務めるWill Cookeは2月14日(世界標準時)、Ubuntuの開発者メーリングリストに「More diagnostics data from desktop(デスクトップからもっと診断データを)」と題した投稿をポスト、Ubuntuデスクトップの向上を目的に、ユーザのPCからより多くの情報を収集する方針を明らかにした。具体的にはインストーラに「Send diagnostics information to help improve Ubuntu(Ubuntuの改善を支援するために診断情報を送信する)」という内容のチェックボックスを追加し、デフォルトでチェックマークが付けられている状態にする予定だという。
- More diagnostics data from desktop | Will Cooke
Canonicalが収集を予定しているデータの種類は以下の通り。
- Ubuntuフレーバー
- Ubuntuバージョン
- ネットワーク接続のON/OFF
- CPUファミリ
- RAM
- ディスク容量
- 画像解像度
- GPUベンダおよびモデル
- OEM製造元
- 位置情報(インストール時にユーザが選択したロケーションにもとづく)、IP情報は収集しない予定
- インストール所要時間
- 自動ログインのON/OFF
- 選択したディスクレイアウト
- サードパーティ製ソフトウェアの選択状況
- インストール中のアップデートのON/OFF
- ライブパッチのON/OFF
これらの情報はユーザがUbuntuをインストールする際にHTTPS接続でCanonicalのISチームに送信される。送信されるのはネットワーク接続が最初に確立した一度のみで、情報はディスクに保存され、ユーザ自身がその情報をチェックすることが可能だという。
また、現在人気のあるパッケージの情報を知らせるパッケージ「Popcon(popularity-contest)」がインストールされるほか、クラッシュレポートを自動で送信する「Apport」の起動時にユーザの操作を中断させないようにする改善が行われる予定だ。
Cookeは今回のデータ収集の目的に関して、「ユーザの使い勝手を向上する開発に注力するにはインストール時の情報や、ユーザがどんなソフトウェアを利用しているかを知ることが必要」とその理由を説明しているが、データを送信したくないユーザの場合はチェックボックスをオフにすることで回避できる。もっとも個人の特定を可能にするIPアドレスについては「このサービスで収集することは決してない」と明言している。
この変更は4月にリリース予定のUbuntu 18.04から開始されるとみられているが、CookeはUbuntuユーザや開発者からのコメントやフィードバックを呼びかけている。