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2018年3月6日ネットの雑音を強制的にシャットアウト! Linux開発者のためのブロッキングツール「Chomper」

仕事や勉強に集中しなくてはならないときに限って、ネットは魅惑的なコンテンツを目の前に見せてくる。ふとした瞬間にWebやソーシャルを覗いてしまい、そのまま何時間も作業が何も進まなかった ―毎日のようにそんな後悔にさいなまされている人も多いのではないだろうか。たった1クリックの衝動を抑える、それがなぜこんなにも難しいのか。ましてや、インターネットに四六時中つながっていることがデフォルトの開発者ならなおさらだ。つねに誘惑の根源とつながった状態で仕事をしなければならないのだから。

そんなネットの雑音から開発者をブロックするツールをあるLinuxユーザが開発した。ツールの名前は「Chomper」で、Pythonで書かれたオープンソースのインターネットブロッキングプログラムである。ライセンスはGPLv3で開発者のAniket PanjwaniはGitHubでリポジトリを公開している。

Chomper -AddictedToTech
aniketpanjwani/chomper -GitHub

Chomperはコマンドラインベースのツールで、サイトの訪問を禁止する「ブラックリスト」と、ある一定の期間のみ訪問を許可する「ホワイトリスト」を設定することで、作業中の無駄なネットサーフィンを大幅に削減できる。一般的なブロッキングツールは単にホストファイルを修正して、ドメイン単位でブラックリストを指定するが、それでは特定のURLをブロックすることはできない。ChomperではURLレベルでのフィルタリングを実現しており、ブラックリストだけでなく、期間限定のホワイトリストを併用することで、仕事に関連するサイトにはアクセス自由な環境を担保し、業務の支障となりかねないサイトへの訪問を極力ブロックする。

PanjwaniはChomperを開発したきっかけとして、著名なSF作家であるニール・スティーブンスン(Neal Stephenson)の言葉を引用している。かつてはLinuxユーザだったスティーブンスンは「いまもLinuxを使っているか」というRedditでの質問に対し、こう回答している。

いや、いまは使っていない。だけどたぶんまた使うようになるだろう。私は自分のノートPCっではまったく仕事ができないんだ。なぜならインターネット上には仕事から気をそらせるモノがありすぎて、PCからかんたんにそれらにつながってしまうからだ。自分のノートPCには基本的にEmacs以外に何も入っていない ―そんな環境を設定しようといま考えているところだよ。

巨匠のスティーブンスンさえもネットの魔力にかんたんに惑わされるなら、一般人は言わずもかな、である。Panjwaniは「もしあなたがインターネットの誘惑に頭を悩ませているからといって、それはあなたが弱いということではない」と強調する。これだけかんたんにつながる世界では、個々人の自制心に頼るだけでは不十分なのは確かだ。未成年を有害サイトから守るためにペアレンタルコントロール機能があるようように、イマドキの開発者はChomperのように強制的にネットの誘惑から距離を置くツールが必要なのかもしれない。

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