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2018年8月7日Windows互換の「ReactOS」Btrfsからの起動が可能に

Windows NTとのバイナリ互換をめざして1996年にスタートし、現在もWindows互換OSとして開発が続けられているオープンソースプロジェクトReactOSがこの夏、新たなマイルストーンに到達しつつある。7月29日付けでReactOSプロジェクトの開発者「extravert34」が投稿したブログによれば、⁠Google Summer of Code(GSoC⁠⁠ 2018」のプロジェクトとして取り組んでいたReactOSのBtrfsパーティションからの起動が可能になり、安定した状態に入っているという。⁠ReactOS公式の立場を代表するものではない」と但し書きされているものの、順調に開発が進めば次回以降のリリースで正式に取り入れられることになりそうだ。

GSoC 2018 - booting from BTRFS works! - extravert34's blog

BtrfsはLinuxでのみ使われているファイルシステムであり、Windowsには実装されていない。Windowsで利用できなかった最大の理由は、Btrfsが大文字と小文字を判別する"case-sensitive"なファイルシステムであるからで、たとえば「/ReactOS/System32」⁠/reactos/system32」⁠/reactos/system32」⁠/ReactOS/system32」をすべて異なるパスとして理解する。だがWindowsではこれらはすべて同じ場所として扱われるため、検索などで不具合が生じてしまう。この問題を解決すべく、ReactOSプロジェクトでは「WinBtrfs」というドライバを開発し、実装を試みてきた。だがReactOSのブートローダー「FreeLoader」はWinBtrfsとの親和性が低く、その原因はFreeLoaderだけではなくVirtualBoxのバグにも関係してくるため、デバックが完了するまでにかなりの時間を要したという。

7/29時点でFreeLoaderおよびVirtualBox関連のバグはほぼ解決しており、さらにデスクトップ上でBtrfsボリュームからReactOSを起動しようとすると発生するエラー(STATUS_ACCESS_VIOLATION)がWinBtrfsのバグに起因することが判明し、これを修正したことにより、現在では非常に安定した状態でBtrfsからの起動が実現しているという。いくつかの課題はまだ残っているが、これからの進捗が大いに期待できそうだ。

ReactOSの画面、Btrfsが起動ドライブとなっているextravert34's blogより)
ReactOSの画面、Btrfsが起動ドライブとなっている(extravert34's blogより)

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