Linus Torvaldsは8月12日(米国時間)、「Linux 4.18」のリリースを発表した。全部で8本のリリース候補(RC)版、通常より1週間長い開発期間を経ての正式リリースで、Linusは「通常のスケジュール通り、先週(8/5)に出すこともできたかもしれないが、この1週間はとてもおだやかで、僕たちはいくつかの(ネットワークや仮想ファイルシステムなどに関連する)マイナーアップデートを実施した」とコメントしている。
- Linux 4.18 : Linus Torvalds
Linux 4.18は前バージョンのLinux 4.17から1万3,000を超えるファイルが変更されており、古いコードの大幅な削除が行われ、全部で約10万行ほど少なくなっている。
Linux 4.18における主なアップデートは以下の通り。
- 2018年中に出荷予定とみられるAMDの7nm GPU「Vega 20」のイニシャルサポート
- Intelの新CPU「Kabylake G」に内蔵されたAMDの「Polaris/Vaga(Vega M)」のイニシャルサポート
- Nouveau DRMドライバを介した「NVIDIA GV100 Volta」のイニシャルサポート
- QualcommのハイエンドSoC「Snapdragon 845」のサポート
- NSA由来の暗号化アルゴリズム「Speck 128/256」のサポート
- Lusstreファイルシステムのメインラインからのリムーブ
- USB 3.2/USB Type-Cの改善
- BPF(Berkeley Packet Filter)ベースのフィルタリングフレームワーク「BPFILTER」のマージ
- 2038年問題対応の継続
ストレージクラスタリングで使われることの多い分散ファイルシステムのLusterがメインラインから外された理由は、コードベースでのクリーンアップが不十分であり、メインラインでメンテナンスできないと有力メンテナーのGreg Kroah-Hartmanが判断したためとされている。今後、Lustreのサポートはメインライン外のツリーで行われることになる。
Linusはすでに次のバージョンであるLinux 4.19のマージウィンドウをオープンしており、プルリクエストの受付を開始している。「最後のLinux 4.x」とも噂されるLinux 4.19では、今回のLinux 4.18以上に大幅なアップデートが行われると見られている。