いまではほとんどのLinuxディストリビューションでデフォルトとなっているsystemdだが、どのディストリビューションにおいても"systemdフリー"、systemdを使わずにinitベースで起動する環境を強く求めるユーザは少なくない。Gentooの主要開発者で、Gentoo GNOMEデスクトッププロジェクトのリードを務めるMart Raudseppもそのひとりだ。3月27日、Raudseppはsystemdフリーへの取り組みの成果として、Gentooテストブランチで利用可能になったGNOME 3.30を、OpenRC(Gentooがメンテナンスするinitシステム)で動かせるようにしたことを明らかにしている。
- Gentoo GNOME 3.30 for all init systems -Mart Raudsepp
- Gentoo GNOME 3.30 for all init systems -Gentoo Linux
Rudseppらはsystemdのコンポーネントの1つ「logind」をsystemdから切り離し、独立したデーモンとして動作させる「elogind」というプロジェクトをGentooプロジェクト内で進めており、起動システムとしてsystemdを望まないだけでなく、GNOMEなど使い慣れたデスクトップ環境もsystemdフリーで利用したいというユーザに向けて開発を続けてきたが、今回のアナウンスはelogindにおける大きな成果のひとつと位置づけられる。
GNOMEは現在、3月13日にリリースされた「GNOME 3.32」が最新版だが、6~8週間(約2ヵ月)以内には、今回のGNOME 3.30と同様にGNOME 3.32でもテストブランチでのsystemdフリーが実現する見込みだとしている。