Cloud Native Computing Foundation(CNCF)は4月11日(米国時間)、オープンソースプロジェクト「Fluentd」がCNCFのグラデュエーションクライテリアを満たしたとして、同プロジェクトがインキュベーションのレベルを"卒業"し、グラデュエーションを完了したことを発表した。CNCF傘下のプロジェクトでグラデュエーション認定されたプロジェクトとしては、Kubernetes、Prometheus、Envoy、CoreDNS、コンテナに続く6番目となる。
- Cloud Native Computing Foundation Announces Fluentd Graduation
2011年に当時のTreasure Data(現Arm Treasure Data)の共同創業者である古橋貞之氏によって開発されたFluentdは、ビッグデータやクラウドの普及とともにログコレクタとして着実にシェアを拡大、現在ではAWSやAzure、Google CloudなどほぼすべてのメジャーなクラウドベンダがFluentdを標準のログコレクタとして採用しているほか、AtlassianやLINE、Slideshareなど大規模サービス事業者による利用も多い。
Fluentdは現在、古橋氏を含む4名のアクティブメンテナーと、160名を超えるコントリビュータが開発に従事しており、4400以上のコミットが記録されている。そのほかの数字としては、オフィシャルリリースの数は189回、Docker Hubからのダウンロード回数は4800万以上、コミュニティが作成した利用可能なプラグインは941、GitHubスター数は7500以上などが挙げられる。
CNCFからグラデュエーションを認められるには「CNCF Graduation Criteria v1.2」で定められた「Graduation Stage」をクリアする必要があり、たとえば「2つ以上の組織からコミッターを出す」「CIIベストプラクティスバッジを達成し、維持している」「CNCFのCoC(Code of Conduct)を適用している」などの条件を満たしていなくてはならない。
このクライテリアを管轄する委員会が、CNCF Technical Oversight Committee(TOC)で、TOCのメンバーのひとりであるGoogleプリンシパルソフトウェアエンジニア Brian Grantは「CNCF内のインキュベーションのプロジェクトとして、Fluentdは非常に大きな成長を遂げ、アダプションを増やし、幅広いコミュニティと数多くの統合を果たしてきた。Fluentdが次のステージに進む準備が整ったことに異論の余地はない」とコメントしており、TOCとしてFluentdのグラデュエーションを正式に認定したことを明らかにしている。
Grantはつづけて「我々はFluentdというプロジェクトがこれから達成し続けていく成果を見ることをとても楽しみにしている」とも語っており、グラデュエーション後であっても、引き続きFluendの成長が期待されるのは間違いない。