Arch LinuxをベースにしたオープンソースのLinuxディストリビューション「Antergos Linux」でシニアデベロッパを務めるDustin Falgoutは5月21日(スペイン時間)、ブログにおいてAntergos Linuxの開発終了を発表した。2012年7月に最初のリリース(当時は「Cinnarch」という名称)を出して以来、徐々にユーザ数を増やしてきたAntergosだったが、Falgoutら主要開発メンバーが「開発に費やす時間を確保することが難しくなった」ことがプロジェクト中止の理由とされている。
- Antergos Linux Project Ends | Antergos Linux
AntergosはArch Linuxと同様にローリングリリース方式を採用しており、ユーザや開発者はつねに最新のパッケージを容易に利用できる点が最大の特徴となっている。インストールしてからよけいな設定をすることなく、すぐにアプリケーションを使うことができる"ready-to-use"な使いやすさも人気があり、ヨーロッパを中心に多くのユーザを獲得していた。2014年にトラッキングを開始してから現在までのユニークダウンロード数は、93万1,439だという。
プロジェクト終了にあたり、既存のAntergosパッケージはArch LinuxのリポジトリであるAURにすべて移行されるため、「既存ユーザは何も心配する必要はない」(Falgout)とのこと。また、AntergosフォーラムやWikiに関しては、少なくともパッケージの移行が完了するまでは現在のサイトで利用できるが、その後は3ヵ月ほどで閉鎖する意向を示している。
100万近いダウンロードがあったとしても、それだけではオープンソース開発のインセンティブにはなりえない ―少しさびしくて残念なプロジェクト終了のアナウンスである。