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2019年7月10日Linux 5.2がリリース ―Sound Open Firmware、PSI機能の改善など

Linus Torvaldsは7月7日(米国時間⁠⁠、⁠Linux 5.2」の正式リリースを発表した。7本のリリース候補(RC)版を経てのリリースで、Linus個人のパラオへのダイビング旅行が迫っていることもあって「rc8を出すことも若干考えた」⁠Linus)ものの、rc7後に大きな問題もなかったため、予定通りの公開に至っている。

Linux 5.2 :Linus Torvalds

Linux 5.2のおもな特徴は以下の通り。

  • IntelとGoogleの支援によるオープンソースのオーディオファームウェア開発プロジェクトSound Open Firmware(SOF)のコア実装、ファームウェアが提供されていないオーディオDSPデバイスのファームウェア作成やパーソナライズが可能に
  • Linux 4.20で追加されたCPUやメモリなどリソースのプレッシャー状況をモニタリングする「PSI(Pressure Stall Information⁠⁠」機能の改善、Androidにおける深刻なメモリ不足などを事前に検知することが容易に
  • mount APIに6つの新しいシステムコールが追加 ―fsopen()、fsconfig()、fsmount()、move_mount()、fspick()、open_tree()
  • BFQ I/Oスケジューラのパフォーマンスが最大80%向上
  • ARMの新世代GPU「ARM Mali」対応ドライバ(14xxシリーズおよび6xx/7xxシリーズ)
  • Intel CPUの脆弱性「Microarchitectural Data Sampling ⁠MDS⁠⁠」からの保護を強化
  • ext4で大文字小文字を区別しないファイル名検索のサポート
  • cgroup v2でのfreezerコントローラのサポート

LinusはLinux 5.2のリリースとともにLinux 5.3のマージウィンドウをオープンしており、プルリクエストの受付を開始している。

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