openSUSEプロジェクトのMartin Liskaは7月17日(ドイツ時間)、ローリングリリースの「openSUSE Tumbleweed」においてGCC 9の最適化オプションのひとつであるLTO(Link Time Optimization、リンク時最適化)をデフォルト実装した最初のスナップショットをリリースしたことを明らかにした。
- [opensuse-factory] LTO is enabled in Tumbleweed : Martin Liška
GCC LTOは中間表現(GIMPLE)をダンプすることで、リンク時における異なるオブジェクトファイル間の最適化を可能にする。このオプションを実装しているLinuxディストリビューションは多くはないが、openSUSEは以前からTubmbleweedでのLTOデフォルト実装を進めており、2019年に入ってからは本格的にテストを重ねてきた。LTOをデフォルトにすることで、バイナリパッケージは全体で5%ほど縮小され、パフォーマンスの大幅な向上も期待できるという。
- GCC 9: Link-time and inter-procedural optimization improvements :Honza Hubička's Blog
openSUSEでは近いリリースにおいてLTOによるChromiumパッケージ、さらにGCC PGO(Profile Guided Optimization、プロファイルガイド最適化)によるFirefoxパッケージを提供する予定だとしている。