Red Hatは7月28日(米国時間)、開発中の「Red Hat Enterprise Linux 8.3」がベータサイクルに入ったことを明らかにした。RHEL 8から導入したアプリケーションパッケージの管理システム「アプリケーションストリーム(Application Streams)」のほか、システムロール(Systems Role)のロール追加、CISベンチマークおよびHIPAAに則したセキュリティプロファイルの追加などが行われている。
- Red Hat Enterprise Linux 8.3 beta now available, delivers production stability plus enterprise innovation -Red Hat Blog
5月にリリースされたRHEL 8では、アプリケーションとOSのバージョンを独立して管理するためのしくみとしてアプリケーションストリームが導入されたが、これによりRHEL 8.3 Betaでは以下のアプリケーションパッケージが利用可能となっている。
- Git 2.26
- NGINX 1.18
- Node.js v14
- Perl 5.30
- PHP 7.4
- Ruby 2.7
このほか、オープンソースコミュニティによる最新版のパフォーマンスツールやデバッガなどもアップデートされている。
また、Ansibleロール/モジュールのコレクションであるRHELシステムロールにもロールの追加が行われており、RHEL環境のスケールを容易にする「System Role for System Logging」「System Role for Metrics」や、一貫したディスク暗号化を継続する「System Role for Network-Bound Disk Encryption(NBDE)」、ネットワークの更改やセキュリティサーティフィケーションをサポートする「System Roles for 802.1x Networking and Certificate Management」などが追加されている。
セキュリティ関連のアップデートとしては、Center for Internet Security(CIS)ベンチマークとHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act: 米国の医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)のプロファイルをそれぞれ追加しており、外部のセキュリティ標準への対応を拡大している。
RHEL 8.3 Betaはすでに同社のカスタマーポータルのほか、開発者向けサブスクリプションサービスを通して入手可能となっている。