Microsoftは8月5日(米国時間)、オープンソースのサービスメッシュ「Open Service Mesh」を公開した。軽量でスケーラブルなKubernetes上で動作するサービスメッシュで、プロキシソフトウェアのEnvoyをベースにしている。サービスメッシュの標準仕様である「Service Mesh Initiative」に準拠しており、近い将来にはCloud Native Computing Foundation(CNCF)にも寄贈予定とされている(ライセンスはMIT)。
- Introducing Open Service Mesh -OSM Blog
- openservicemesh/osm -GtiHub
だがOpen Service Meshの公開後、コードの一部(コードチェック部分)がBuoyantが提供するサービスメッシュ「Linkerd」からコピーされたものであるとジャーナリストのTom KrazitがTwitter上で指摘、これに対しMicrosoftのMichelle NooraliはGitHubで「こんなことが起こって本当に申し訳ない。我々はLinkerdプロダクトの大ファンであり、とくにそのチェックエクスペリエンスと使いやすさを評価してきた。コードの属性を示さないことは間違いであり、我々はこれを修正中でチェックコード部分をすべて削除している。今後はレビュープロセスとドキュメンテーションを改善し、こうしたミスをキャッチできるようにしたい」と謝罪している。
- removing osm check code -Issue#1432 - openservicemesh/osm -GitHub
サービスメッシュは現在、Googleがメインで開発するIstioをデファクトスタンダードとする動きが強いが、Istioは機能が豊富である反面、その複雑さからオペレーションが難しく、パフォーマンスもあまり高くない。対してBupyantが開発するLinkerdは、シンプルで軽量なデザインを指向しており、オペレーションや設定が容易で、パフォーマンスはIstioの数倍ともされている。オープンソースコミュニティとしての歴史も長く、導入企業にはWalmartやeBay、Comcastなど大企業の名前も並ぶ。開発者コミュニティや市場において一定の評価を得てきたサービスメッシュプロダクトのLinkerdだが、Microsoftはどうやら"好き"が高じすぎたようだ。