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2021年1月13日ハイパースケーラに特化したCentOSオルタナティブを―FacebookやTwitterなど「CentOS Hyperscalers SIG」設立へ

2021年をもって事実上のプロジェクト終了が発表されたCentOSだが、CentOSをサービスの基盤として利用してきたユーザ、とくに"ハイパースケーラ(hyperscalers)"と呼ばれる大規模サービス事業者の中には、今後のプラットフォーム戦略の転換を余儀なくされているところも少なくない。そうした事情を反映した動きのひとつとして、FacebookやTwitter、Verizonといったハイパースケーラの有志がCenOSプロジェクトに対し、大規模インフラ向けのCentOS Streamにフォーカスするグループ「CentOS Hyperscalers SIG(special interst group⁠⁠」の設立を申請している。

Hyperscalers SIG (Proposed)

Hyperscalers SIGは、FacebookのクラスタオペレーションエンジニアであるDavide CavalcaとTwitterのカーネル&OSエンジニアのJustin Vreelandが中心となって結成されたグループで、SIGとして正式にCentOSボードミーティングで承認された後に初期メンバーの6名で活動を開始する予定となっている。

FacebookやTwitterがCentOSをベースにしたサービス基盤を構築していることはよく知られているが、今後はCentOS Streamから派生したOSに移行する必要から、ハイパースケーラ間でCentOS Streamのノウハウやパッケージ/ツールの共有を進め、強固なサービス基盤を維持していくことを目的としている。

FacebookやTwitterといったハイパースケーラのOSチームは、いくつかの重要なパッケージをより速いペースで独自にアップデート/メンテナンスしている。たとえばFacebookはFedoraパッケージをベースにしてCentOS用のsystemdのバックポートを開発しているが、このように公開されているハイパースケーラのノウハウは決して多くない。

Hyperscalers SIGではこうしたノウハウやツールをメンバー間で共有し、アップストリームの変更を迅速に反映したハイパースケーラ用のパッケージの数を増やし、ディストロ標準のパッケージを代替していきたいとしている。グループの方針の例として、CentOS 8ではサポートされていないiptablesをnftablesと同様にビルドしていくことなどを挙げており、"CentOSオルタナティブ"としての存在感を示していくとしている。

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