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2021年3月11日CentOSのリプレースならUbuntuにおまかせを―Canonical、CentOSユーザにUbuntuのメリットをアピール

CentOS 8が2021年12月をもってサポート終了(EOL)となることで、エンタープライズでCentOSを採用していた企業、とくに金融などクリティカルなサービスを提供している企業の多くが移行先に頭を悩ませている。CentOSと同様にRed Hat Enterprise Linux(RHEL)をアップストリームOSとして開発しているプロダクトとしては「Oracle Linux」や、CentOSクリエーターのひとりであるGregory Kurtzerが2020年末に立ち上げた「Rocky Linux」は有力な候補となる。

そうした中、Canonicalの金融セクターリードを務めるKris Shamaraが「金融サービスのインフラストラクチャで使われてきたCentOSのリプレースとして、なぜUbuntu Linuxが最もすぐれた選択肢なのか(Why is Ubuntu Linux the leading choice to replace CentOS for Finserv infrastructure?⁠⁠」というブログ記事を投稿し、CentOSからUbuntuにリプレースするメリットを強く訴えている。

Why is Ubuntu Linux the leading choice to replace CentOS for Finserv infrastructure? | Ubuntu

Shamaraは金融インフラとしてのUbuntuがすぐれているポイントとして以下を挙げている。

  • 信頼できるリリーススケジュール(半年ごとのリリースと、2年に一度のLTSリリース)
  • 安定した、サポートが万全のLinux OS
  • パフォーマンスと汎用性
  • フルスタックのセキュリティとコンプライアンス
  • マルチクラウド/Kubernetesに最適なプラットフォーム

Canonical/Ubuntuを採用する金融機関としてはフランスのメガバンクであるBNPパリバ、SBIグループの金融システム開発企業のSBI BITS、英国の国際金融グループバークレイズなどが有名だが、これらの企業の多くはUbuntuのマルチクラウドサポートを高く評価している。金融業界は急速にクラウドネイティブ化が進んでいるが、大規模な企業であるほど、インフラは複数のパブリッククラウドと自社構築のプライベートクラウドを組み合わせたハイブリッドな構成にしているケースが多い。

Ubuntuはこうしたマルチクラウド/ハイブリッドクラウドでの運用を得意としており、金融業界のCentOSユーザに対してその優位性をアピールしていく方針のようだ。すでにCentOSのEOLまで10ヵ月を切ったが、エンタープライズの中でもCentOSの導入事例が多い金融業界のユーザをめぐって、水面下での争いが激化しそうだ。

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