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2021年4月28日Linux 5.12が正式リリース

Linus Torvaldsは4月25日(米国時間⁠⁠、⁠Linux 5.12」の正式リリースをアナウンスした。通常の開発スケジュールより1週間遅れ、8本のリリース候補(RC)版を経ての公開となる。

Linux 5.12 -Linus Torvalds

Linux 5.12のおもなアップデートは以下の通り。

  • 異なるUID/GID間でファイルやディレクトリのマウントを可能にし、コンテナ間などでのファイル共有を容易にする「idmapped mounts」
  • ブート時のプリエンプションモデルを「preempt=none/voluntary/full」で選択可能に(デフォルトはfull)
  • 低オーバーヘッドのメモリエラーディテクタKFENCE(Kernel Electric-Fence)⁠KASANと比較してパフォーマンスは落ちるが精度は高い)
  • IoTデバイスに特化したオープンソースのハイパーバイザACRNのサポート
  • 複数のゾーンに分割されたブロックデバイス(zoned block devices)およびサブページブロックサイズ(メモリページのサイズより小さいブロックサイズ)をBtrfsでサポート、パフォーマンスの向上が実現
  • NFSのwrite()システムコールに「writes=lazy」⁠writes=eager」⁠writes=wait」といったマウントオプションを追加(デフォルトはlazy⁠⁠、NFCクライアントが迅速にENOSPCエラーに対応可能に
  • ブロッキングモードでのファイルオープンを回避する方法として、非同期I/Oの io_uring()(Linux 5.1でサポート)に加え、openat2()に「RESOLVE_CACHED」フラグを追加し、よりコストのかからないノンブロッキングなパスルックアップを実現
  • ネットワークポーリングAPI「NAPI(New API⁠⁠」をカーネルスレッドベースにすることで、ユーザスペースでの制御が容易に
  • Intel Variable Rate Reflesh(VRR/Adaptive-Sync)のサポート
  • Nintendo 64(n64)のメインラインサポート

Linusはすでに次期カーネル「Linux 5.13」のマージウィンドウをオープンしており、プルリクエストを受け付けている。Linux 5.12は1週間遅れの公開となったものの、比較的コンパクトなサイズに収まったが、LinusはLinux 5.13について「linux-nextを見るに、Linux 5.12のかわりに大きくなりそう」とコメントしており、6月下旬以降にはビッグカーネルが登場することになりそうだ。

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