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2021年6月24日Canonical、3DCGソフトBlenderの商用サポートを提供、Ubuntu以外のOSにも対応

Canonicalは6月23日、オープンソースの3DCGソフトウェアスイート「Blender」の長期サポート版である「Blender LTS」の商用サポートサービスを提供することを明らかにした。BlenderにはLinux版のほかにもmacOS版やWindows版が存在するが、CanonicalはUbuntu以外のLinuxディストリビューションやmacOS/Windowsで動くBlender LTSについても本サポートサービスで対応する。

Canonical launches Blender LTS support | Ubuntu
Canonical Offering Blender Support -blender.org

現在、Blender LTSとして利用可能なバージョンは2020年6月にリリースされた「Blender 2.83 LTS」と、2021年6月にリリースされた「Blender 2.93 LTS」で、いずれもサポート期間は2年となっている。Canonicalはユーザが使用するOSにかかわらず、この2つのバージョンのエンタープライズサポートを電話もしくはチケットサポートで提供する。メニューは平日のみ対応の「Standard」⁠年間500ドル)と、24時間365日対応でStandardよりも迅速なレスポンスを約束する「Advenced」⁠年間1000ドル)が用意されている。

1998年に初版がリリースされたBlenderは、オープンソースでありながら3Dモデリングやモーショングラフィックス、コンポジット、レンダリングなどの機能にすぐれており、商用3Gソフトに比肩する存在として世界中のユーザから高い評価を得ている。その一方で商用サポートがないことからエンタープライズでの利用が拡大しにくいという課題があった。今回の提携によりオープンソースベンダのCanonicalに有償サポートをあずけることで、20年来の課題を解決しつつ、オープンソースプロダクトとしての存在感を維持する効果が期待できる。Canonicalにとっても自社製品以外のオープンソースプロダクトをサポートするという新しい試みとなり、オープンソースをベースにした新しいビジネスモデルとしても注目を集めそうだ。

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