Debianプロジェクトは8月14日、「Debian 11 "bullseye"」の正式リリースを発表した。前バージョンの「Debian 10 "Buster"」から2年1ヵ月と9日ぶりのアップデートで、5年間のサポートが約束されている。
- Debian 11 "bullseye" released -Debian
Debian 11にはトータルで5万9,551のパッケージが含まれており、うち新規パッケージは1万1,294、アップデートされたパッケージは4万2,821で、5,434のパッケージは変更されずに収録されている。また9,519パッケージが"obsolete"として削除された。
Debianプロジェクトは今回のリリースにおいて、Debianが"The Universal Operating System"であり続けることをあらためてゴールに掲げており、幅広い用途に対応できるよう、多くのパッケージ/アーキテクチャをサポートしている。またすべてのパッケージにおいて自動インストール/アップグレードのテストが実施されており、品質保証においても安定版としての期待を裏切らないレベルに達しているという。
LinuxカーネルにはLinux 5.10が採用されており、デスクトップ環境としてGNOME 3.38、KDE Plasma 5.20、LXDE 11、LXQt 0.16、MATE 1.24、Xfce 4.16が用意されている。また、GCC 10.2、LibreOffice 7.0、OpenSSH 8.4p1など主要なソフトウェアパッケージの72%以上が前リリースからアップデートされている。
サポートアーキテクチャの数は32ビット/64ビットあわせて9つ、amd64/i386/ppc64el/s390x/armel/armhf/arm64/mipsel/mips64elがサポートされる。
Debian 11のリリースに関するその他の主なポイントは以下の通り。
- exFATファイルシステムをカーネルレベルでサポートした最初のDebianリリース(exFATのメインラインサポートはLinux 5.4から)
- ユニバーサルプリントを実現する「ipp-usb」パッケージ(IPP-over-USB)により、モダンなプリンタをドライバレスで利用可能に
- systemdの永続的なジャーナル機能がデフォルトで有効
- 76の言語をサポート、うち、日本語、中国語、韓国語などの入力メソッドに「Fcitx 5」が採用
- Debian Medチームによる、COVID-19の研究(ウイルスの配列レベルの調査やパンデミックとの闘い)に活用するツ機械学習ツールのパッケージング