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2021年11月5日Linux 5.15がリリース、2年サポートのLTSに

Linus Torvaldsは10月31日(米国時間⁠⁠、⁠Linux 5.15」の正式リリースを発表した。7本のリリース候補(RC)版と約2カ月の開発期間を経てのリリースとなる。なお、カーネルメンテナーのGreg Kroah-Hartman(GKH)はリリース翌日の11月1日(米国時間⁠⁠、Linux 5.15を2023年10月までサポートするLTS版としてメンテナンスしていくことを明らかにしている。

Linux 5.15 -Linus Torvalds
Active kernel releases -The Linux Kernel Archives

Linux 5.15におけるおもなアップデートは以下の通り。

  • リード/ライトの実装含むNTFS 3.1のフルサポート(Parangon Softwareの貢献)
  • インカーネルのSMB3サーバプロトコル「ksmbd」
  • メモリのリクレーム処理の改善 … DRAMに格納しきれないページをパーシステントメモリに移動可能に
  • Btrfsでリードオンリーファイルの保護を強化する「fs-verity」とIDマッピングのサポート
  • 特定のユーザスペースプロセスのメモリアクセスパターンをモニタリングするメカニズム「DAMON(Data Access MONitor⁠⁠」
  • 呼び出し元のコンテキストから死にかけのプロセスのメモリを迅速に解放するシステムコール「process_mrelease()」
  • cgroupによるスケジューリングポリシー「SCHED_IDLE」のサポート
  • 実行ファイルを測定/記録して実行ファイルの改変をチェックするメカニズム「IMA(Integrity Measurement Architecture⁠⁠」を使って、デバイスマッパー(DM)がターゲットとするブロックデバイスの状態を測定可能に
  • 32ビット/64ビットが混在するCPU環境において、32ビットのレガシータスクを32ビットCPUに排他的にスケジューリング(64ビットCPUへのスケジューリングを回避)
  • PREEMPT-RTロッキングコードのマージ

LinusはLinux 5.15のリリースと同時に次期カーネル「Linux 5.16」のマージウィンドウをオープンしており、プルリクエストの受付を開始している。

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