特定の処理をたった1行のプログラムに詰め込んだいわゆる「ワンライナー(one liner)」には、限られた環境の中で作業効率を上げようとしてきたエンジニアたちのノウハウが詰まっており、なかには非常に高度な処理を実行できるワンライナー”も少なくない。
今回紹介する「Bash-Oneliner」は、Linux/UNIXでもっとも標準的なシェルであるBashを使いこなすための数多くのワンライナーを集めたコレクションで、基本的なターミナル活用から変数、数値計算、grep/sed/awk、さらには作者の専門であるバイオインフォマティクスで必要となるデータ解析や、Linuxシステム管理で使えるワンライナー(まれに1行ではないものもある)が揃っている。
-
- GitHub -onceupon/Bash-Oneliner :A collection of handy Bash One-Liners and terminal tricks for data processing and Linux system maintenance.
収録しているワンライナーの数の多さに加え、ひとつひとつのコマンドの解説が非常にシンプルでわかりやすく、ちょっとしたリファレンスとしても活用できる。このコレクションを公開した台湾出身のBonnie I-Man Ngは、Ubuntu、Amazon Linux、RHEL、Linux Mint、macOS、CentOSをメインで利用しているとのことなので、一般的なLinux/UNIC環境ではほぼ問題なく動作すると思われる。
Bash OnelinerはすでにGitHubで5200を超えるスターを獲得しており、高い人気を博している。作者のNgは、収録したワンライナーの多くはGoogleやStack Overflowから探したとしているが、それらを集約して公開することで、他のエンジニアに利益を還元している。
「英語もbashも私の第一言語ではないので、修正があったらいつでも知らせてほしい。もしほかにクールなコマンドがあるなら、ぜひ教えて!(English and bash are not my first language, please correct me anytime, thank you. If you know other cool commands, please teach me!)」というNgのコメントに、エンジニアの貢献のあり方はさまざまであることを実感する。