Fedoraプロジェクトは7月6日、今秋リリース予定の「Fedora Linux 37」において、シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 4」をオフィシャルにサポートする方針を明らかにした。7月12日に開催される「FESCo(Fedora Engineering Steering Committee)」で承認されたのち、正式に”ラズパイ4”のサポートがFedoraでも実現することになる。
- Changes/RaspberryPi4 -Fedora Project Wiki
Raspberry Pi 4上でFedoraを動かす実例はすでに数多く報告されており、とくにサーバやIoTのユースケースは多い。しかしデスクトップ(Fedora Workstation)に関しては、快適な動作を実現するグラフィックアクセラレーションやその他の主要な機能において課題が多く、FedoraによるオフィシャルなRaspberry Pi 4サポートには至っていなかった。
これに対し、Fedora開発メンバーの数名は継続的にアップストリームに対してグラフィックの改善を働きかけてきた。今回のアップデートでは、最大8GBのメモリを実装した「Raspberry Pi 4 ModelB」、キーボード一体型の「Raspberry Pi 400」、ModelBにIOボードを備えた「Raspberry Pi Compute Module 4」といった人気の高いモデルを対象に、組込み用のグラフィックAPIであるOpenGL-ESおよびVulkanの両方でグラフィックアクセラレーションのサポートを実現、Raspberry Pi 4搭載のGPU「VideoCore(V3DGPU)」での快適な動作が確認されているという。また、ModelBおよびCM4の両モデルでPTPv2(Precision Time Protocol: 高精度時間プロトコル)をサポート、有線ネットワークの強化も実現している。
今回の提案が承認されれば、Fedora 37からRaspberry Pi 4が正式にサポートデバイスとなり、IoTやサーバに加え、デスクトップでの事例も増えることが期待できそうだ。