(Kubuntu向け変更点)。
- X.orgの最新版である7.3が導入されました。自動設定機能が強化されています。
- Linuxカーネルが2.6.24-3.5 (2.6.24-rc6-based)にアップデートされています。amd64でもdyntickがサポートされ、タイマの割り込み頻度を変更できるようになります(これにより、アイドル時の消費電力低減などの効果が期待できます)。
- 新しいサウンドサーバであるPulseAudioがデフォルトで有効になっています。
- 一般ユーザとしてシステム管理アプリケーションを操作し、必要な時のみに管理者権限を取得するインターフェースを提供する、PolicyKitが導入されました。
- 昨年の12月18日にリリースされたFirefox 3のBeta 2が利用できます。アイコンやボタン、ダイアログはGTK2のテーマが反映されるようになりました。ただし、デフォルトではFirefox 2が起動します。Firefox 3を利用するためには、firefox-3.0パッケージをインストールしてください。
Hardy Heron Alpha 3はUbuntu開発者向けのテスト版です。通常の用途には利用しないでください。また、インストール時に英語以外の言語を選択するとインストーラがクラッシュするバグが報告されています。日本語を利用したい場合は、英語でインストールし再起動後に言語サポートで切り替えるか、インストールする前にubiquityをアップグレードしてください。
PolicyKitについて
現在、管理者権限が必要なアプリケーション(users-adminやnetwork-admin)はgksuを利用して、管理者権限を持ったプロセスを起動しています。PolicyKitは、これらを一般ユーザ権限で起動させ、アプリケーションごとに必要に応じて管理者権限を取得するフレームワークです。GNOMEの現行開発版では積極的に利用することになっており、Fedora 8ではすでに採用されています。
gksuには潜在的な脆弱性があります。例えば、メモリ内のパスワードはmlock()されていませんし、--messageオプションを使えばパスワード入力画面に嘘の内容を表示させることができます。また、トロイの木馬がgksuそっくりのパスワード入力画面を表示することを防ぐこともできません。さらに、gksuのプロセス自体はptrace()から保護されていませんので、ユーザプロセスからでもメモリ内のパスワードを読むことができます。PolicyKitはこれらを解決する手段として導入されます。
KDE 4がリリースされました
KDE 4がリリースされました。Ubuntu 7.10でも非公式なパッケージをインストールすれば既存のKDE 3.5と併用することができます。また、インストールする前にLive CDを使って、Kubuntu 7.10 + KDE 4を体験できます。
Kubuntu 8.04はLTSではなくなります
2008年の4月にリリースされる"Hardy Heron"は6.06以来の長期サポート版(LTS)になることがアナウンスされていますが、KubuntuはLTSとならないことが決定されました。あるリリースをLTSにするべきかどうかは、「そのリリースが充分に安定しているかどうか」「商用サポートが可能かどうか」「サポートをうける企業が興味を持つかどうか」などを基準に、商用サポートを担当するCanonical社が判断を下します。KDE 4が1月にリリースされるというアナウンスを受けてKubuntuのリリーススケジュールを考慮した結果、「KDE 4はLTSになるほどの安定性を確保できない」「しかし、KDE 3に対して3年間のセキュリティアップデートを続けられるだけのリソースは確保できない」と判断されたようです。
Kubuntu 8.04では、既存のKDE 3に対応したLive CD、KDE 4に対応したLive CDがそれぞれ用意され、通常のリリースと同じく18ヶ月のセキュリティアップデートが提供されます。また、Kubuntu 7.10からアップグレードする場合は、そのままKDE 3.5を使いつづけることになります。8.04へアップグレード後にKDE 4に変更することも可能です。Kubuntuのコミュニティ協議会のメンバーであるMartin Bo"hmによると、UbuntuがLTSでないリリースに対して、KubuntuがLTSになるような決定をCanonical社が下すとは思えないので、Kubuntuの次のLTSは10.04になるだろうとのことです。
今年もUbuntu Liveカンファレンスが開催されます
Ubuntu LiveはUbuntuコミュニティ内外のあらゆる人々が集まり、短期間でユーザ・開発者・ビジネス向けに講演やチュートリアルを行うイベントです。昨年に続き、今年もオレゴン州のポートランドで7月21日・22日に開催されることになりました。また、それにあわせて2月4日まで講演者を募集しています。
デフォルトテーマの変更について
1月10日のArtworkチームのミーティングにより、Hardyの次のリリース(Hardy+1)でテーマを大きく変更することが決定されました。テーマの変更は元々Hardyで行われることが予定されていたものです。しかし、Hardyが長期サポート版(LTS)になること、LTSでは十分にテストされたものが用意されるべきであることなどを考慮し、Hardy+1でテーマの変更を行い、次のLTSリリースまで改修を続けることでより良いものを提供しようという判断がくだされました。新テーマについては、現時点でもさまざまなアイデアが提案されています。
Ubuntu Weekly Newsletter #73が発行されました
1月14日に、Ubuntu Weekly Newsletter #73が発行されました。
コミュニティニュース
前述のHardy HeronのAlpha3とKDE 4がリリースされたニュースに加えて、昨年リリースされた、2日間でUbuntuの使い方を一通り学べる「デスクトップコース」の話が紹介されています。
コミュニティ協議会(Comunity Council)の新メンバーとして、Jussi Schultinkが承認されました。さらに、Emilio Pozuelo Monfort、Michele Angrisano、Stephan HermannがMOTUメンバーとなっています。また、Andrew MitchellとDaniel T. ChenがMOTU協議会(MOTU Council)から去ったために、新しい協議会メンバーを募集しています。
Launchpadニュース
Launchpadの新しいロゴを決定するため、ロゴコンテストが開催されることになりました。優勝者には副賞としてUbuntuバッグが提供されます。また、WordPressにてLaunchpadのフィードを表示させる方法が紹介されています。
フォーラムニュース
今週のインタビューでは、30年来のソフトウェアエンジニアであり、現在はスイスの地歩自治体のIT部門長でもあるpopchにインタビューしています。今週のチュートリアルとして、何らかの理由によりシステムが応答しなくなったときの、SysRqキーの使い方を解説した投稿が紹介されています。
その他のニュース
インターネット上でUbuntuに言及する記事として、2つのブログ記事に加えて、昨年のロボットカーレース"DARPA Challenge"を制したカーネギーメロン大学の車は、Ubuntu 6.06 "Dapper Drake"を使っていたことを伝えるPhoronixの記事が紹介されています。