Intrepidの翻訳が開始されました
9月13日にUbuntuの次期バージョンである“Intrepid Ibex”の翻訳が開始されました。mainコンポーネントに属するパッケージなら、Launchpad上で翻訳を行えます。ただし、GNOMEをはじめとした多くのパッケージは、まだインポート作業が完了していないため、最新の情報が反映されていないかもしれません。
9月12日にはUserInterfaceFreeze(UI Freeze)が行われましたので、翻訳元になるアプリケーションの各種文字列が変更される場合はドキュメンテーションチームに告知が行われます。
また、ヘルプ文書を提供するubuntu-docsパッケージは、10月2日のDocumentationStringFreeze(DS Freeze)まで随時修正されますので、注意してください。UI Freezeを受けて、ドキュメンテーションチームではDS Freezeまでの残り3週間、精力的にヘルプ文書の追記・修正を行うよう呼びかけています。
Canonicalストアから、各種コーデックとDVDの再生ソフトウェアが販売されます
UbuntuのスポンサーであるCanonical社は、同社のオンラインストアにてFluendo社のメディアコーデック再生プラグインとCyberLink社のDVDプレイヤを販売することを発表しました。これにより、各種ユーザはそのソフトウェアを購入すれば、Canonical社の商用リポジトリからこれらのパッケージをダウンロードし、インストールすることができます。
これは主にプリインストールマシンへの再生権バンドルの可能性にあわせて、ISOイメージからインストールしたユーザにも同等の環境を提供するための措置です。もちろん、これまで通りMedibuntuなどで配布されている、コミュニティが作成したソフトウェアを使って、さまざまなコーデックを再生することも可能です。
Ubuntu Manpages
9月6日にUbuntu Manpage Repositoryの公開が正式にアナウンスされました。これは、各リリースごとにインストールされるマニュアルファイルを、すべて保存しブラウザを使って簡単に閲覧・検索できるようにしたものです。これにより、該当のマニュアルファイルをインストールしていなくても、特定のリリースに対するマニュアルを閲覧することができます。
FirefoxのEULAについて
先週末から今週半ばにかけて、UbuntuコミュニティではFirefox 3.0のEnd User License Agreement(使用許諾契約書)の話題でもちきりでした。事の発端は、現在開発中の“Intrepid Ibex”にて、Firefox 3.0.2にアップグレードすると初回起動時にEULAが表示され、同意しない限りはFirefoxが使えなくなったことです。それを問題視したUbuntu開発者の一人であるWilliam Grantは、Launchpadにバグとして登録します。するとマーク・シャトルワースは今回の件が「Firefoxの名前を使いつづけるなら必要である、というMozilla Corporationの要請に基づき行われた」こと、自身は「EULAの表示が良い方法だとは考えていない」こと、「IntrepidのリリースまでMozillaと協議を続けていくが、場合によってはFirefoxの名前を使わない、例えば“abrowser”パッケージを用意すること」などをコメントしました。
その後、そのやりとりがいくつかのメディアで取り上げられ、上記バグ報告のコメント数が一気に増え、他のサイトでも言及されることになります。TAC oneは、Brainstorm内に今後Firefoxを使い続けるべきか、Debian同様Iceweaselを採用すべきか、Epiphanyを採用すべきかの投票を行うエントリを設けました。ZDNetのAdrian Kingsley-Hughesは、Live CDでは毎回確認する必要が出てくるEULAの表示方法や、今回のEULAの内容そのものに疑義を唱えています。同じZDNetのJoe Brockmeierは、EULAの内容や表示方法に問題はないし、他のFOSSアプリケーションでも同じ事をやってきたではないかという考えを表明しています。Fedoraの開発者であるTom Callawayは、5月の時点で同じ問題に遭遇し、Mozillaとの協議の結果、Firefoxのスタートページに一部の条項を表示することでEULAの表示自体を回避したが、そもそもEULA自体が必要のないものであるという考えを詳しく説明しています。
Mozilla CorporationのCEOであるMitchell Bakerは自身のブログの中で、EULAの一部の内容が間違っていたことを説明し、さらに9月16日の投稿にて、EULAを撤回するであろうことを表明しました。これにより、この騒動は解決することになると思われます。ただし、フィッシング対策をはじめとした「Web Services」の条項に関しては、その内容や表示方法の実装について、もう少し議論されることになるでしょう。Mozilla CorporationのHarvey Andersonは、表示方法の実装例を提示しています。
Ubuntu Weekly Newsletter #108が発行されました
9月15日に、Ubuntu Weekly Newsletter #108が発行されました。
コミュニティニュース
先週お伝えした9.04の開発名が“Jaunty Jackalope”に決まった話とUbuntu Developer Summit開催の話、前述のUI Freezeとヘルプ文書の作成の話に加えて、以下の内容などが紹介されています。
その他のニュース
インターネット上でUbuntuに言及する記事として、以下の記事が紹介されています。
- UbuntuとJaunty Jackalopeという命名ニュースを紹介しつつ、マーク・シャトルワースとのメールのやりとりで早くも時期“K”の命名に悩んでいる様子を紹介する、New York Timesの記者によるブログ記事
- Jaunty JackalopeのニュースとJackalope(ツノウサギ)に乗るマーク・シャトルワースというコラージュ写真を紹介する、ars technicaの記事
- Canonicalが、上流ソフトウェアと緊密に連携をとりLinuxのユーザビリティを改善するために、プロのデザイナを雇ったことを伝える、ars techinicaの記事
- Computer Music Magazineにて、Ubuntu Stadioが特集されたことを伝える、Ubuntu Stadio MLでの投稿
- アメリカのFortune 1000にランクインする企業でサーバ用途でLinuxを採用している企業のうち、Ubuntuを利用しているのは4%に過ぎない調査結果を伝える、CNET newsの記事
フォーラムニュース
今週のチュートリアルでは、Scanner Serverというソフトウェアを使って、ネットワーク越しにスキャナを共有する方法が紹介されています。ソフトウェアのインストールや設定が必要なのは、スキャナに直接つながったサーバ側だけで、クライアント側ではウェブブラウザさえあれば操作可能です。
今週のセキュリティアップデート
9月10日から9月16日までに、下記のセキュリティアップデートが行われました。
- 9月10日
- 9月11日