GIMP 2.6がリリースされました
10月1日にGIMP 2.6.0が、10月9日にGIMP 2.6.1がリリースされました。主な変更点は以下のとおりです。
- ツールボックスのメニューバーが廃止されるなど、ユーザーインターフェースが大幅に変更されています。
- 自由選択ツールで、多角形を利用できるようになりました。
- 「ブラシ感度の調整」では、さまざまなパラメータを変更できます。
- 新しい画像処理フレームワークであるGEGLの色操作ができるようになり、一部のツールについても試験的に導入されています。
Ubuntuの開発版であるIntrepidでも、GIMP 2.6を採用しています。ただし、ベータ版をインストールした場合は通常のアップデートでは2.4のままになってしまいます。2.6を利用するにはアップデート・マネージャにて「部分的なアップグレード」を実行してください。
OpenOffice.org 3.0がリリースされました
10月13日にOpenOffice.org 3.0がリリースされました。Writerが複数ページの同時表示をサポートしたり、CalcのExcel VBAサポートがより拡充されたり、Impressで簡単に表を作成できるようになったりと数多くの新機能の追加がされています。詳しいことは、“OpenOffice.org 3 始める人のページ”を参照してください。
3.0がリリースされてから、Launchpadやフォーラムでは、Intrepidでも3.0を採用するような要望が出ていますが、コミュニティ協議会のColin WatsonやOpenOffice.orgのパッケージをメンテナンスしているChris Cheneyから、テスト不足などを理由として少なくともIntrepidリリース時点では、公式リポジトリからOpenOffice.org 3.0を利用できないことが名言されています。
パッケージ名の都合上、8.04のFirefoxのように2つのバージョンを併用することも難しいそうです。IntrepidでOO.o 3.0を利用するには、OpenOffice.orgで提供されているdebパッケージを利用するか、Chris Cheneyが用意している非公式のPPAリポジトリを利用すると良いでしょう。前者の方法であれば既存のOpenOffice.orgパッケージ(バージョン2.4.1)と共存することが可能です。また、12月にリリースが予定されているOpenOffice.org 3.0.1であれば、intrepid-backportで提供される可能性もあるようです。
Adobe Flash 10がリリースされました
10月15日にAdobe Flash Palyerの10がリリースされました。3D描画関係の改善、縦書きへの対応に加えて、正式にUbuntuに対応することが公表されています。このため、従来のtar.gzやRPMなどに加えてdebファイルによるインストール方法も用意されています。
Intrepidであれば、flashplugin-nonfreeパッケージをアップグレードすることで、10.0.12.36を導入できます。Ubuntu 8.04であれば、今のところダウンロードページからdebファイルをダウンロードし、GDebiでインストールする方法が一番簡単です(“Ubuntu 8.04+用APT”は、通常の環境では利用できません)。ただし、その場合あらかじめflashplugin-nonfreeパッケージを削除しておいてください。また、64ビット環境でインストールするにはより複雑な設定が必要です。queleimporta.comでは簡単なインストールスクリプトが用意されていますが、いくつかの外部パッケージをインストールする必要がありますので、スクリプトの内容がよくわからない場合は、flashplugin-nonfreeパッケージの更新を待った方が良いでしょう。
Adobe Labsのデモページでは、Flash Player 10の新機能を一通り体験することができます。なお、64ビット版のリリースは今回もないようです。
Ubuntu 7.04のサポートが終了します
先々週もお伝えしましたが、日曜の10月19日にUbuntu 7.04のサポートが終了します。Ubuntuの通常の(長期サポートではない)リリースにおいて、サポート期間はリリースから“18ヶ月”と定められています。このため、18ヶ月前、つまり2007年の4月19日にリリースされたUbuntu 7.04 (Feisty Fawn)は10月19日にサポート期間を終了します。これ以降、セキュリティ情報やセキュリティアップデートは提供されなくなるので注意してください。また、7.04から最新の8.04にアップデートするためには、一度7.10にアップグレードする必要があります。
これにより、現在サポート期間中のUbuntuは6.06 LTS、7.10、8.04 LTSの三種類となり、これに今月末リリースされる8.10が追加されます。
Ubuntu Weekly Newsletter #112が発行されました
10月12日に、Ubuntu Weekly Newsletter #112が発行されました。
コミュニティニュース
先週もお伝えしたカウントダウンバナーやUbuntu Free Culture Showcaseの結果に加えて、Xubuntu Hug Dayや新しいUbuntuメンバなどが紹介されています。
Hug Dayは、日々報告されている不具合を、そのまま放置されることのないよう確認・分類・順位付けするイベントです。報告された不具合が実際に再現されるかどうかを確認する作業やや解決に向かって優先順位を付ける作業は不具合修正の中でも一番最初に行われる大事なプロセスであり、不具合を修正することでコミュニティに貢献したい人にとって最初の一歩となるプロセスでもあります。普段は、Bug Squadチームがこの作業を精力的に行っており、不具合の取扱い関する基本をおさえれば誰でも参加することが可能です。
Hug Dayはこの作業を日付と対象となるアプリケーションを絞って、一時的にリソースを集中させることを目的として行われています。例えば前述のXubuntu Hag Dayなら、Xubuntu (XFce)関係のアプリケーションを中心に精力的に確認・分類することになります。そうすることで、開発者は自分の関係するアプリケーションの不具合の中で、どれを優先的に解決すべきかをより簡単に把握できるのです。
リリース日も近づいて不具合修正が主な作業として行われているこの時期には、多くのHug Dayが開催されます。先週の9日にはFirefox Hug Dayが、今週にはGNOME Power ManagerとCUPSを対象としたUbuntu Hug Dayが開催されました。来週火曜と木曜にも、Ubuntu Hug Dayが開催される予定です。
その他のニュース
インターネット上でUbuntuに言及する記事として、以下の記事が紹介されています。
- MSIが自社で販売するNetbookについてLinux版の返品率がWindows版の4倍であると述べたことについて、CanonicalのマーケットマネージャであるGerry Carrに質問するLAPTOP Magの記事
- 広告企業であるXtreme Informationが、Ubuntuベースの録画・解析装置を開発し、いくつかの地域でTV番組/CMの情報解析・提供サービスを始めることを伝えるiTnewsの記事
- Broadcomが新しいLinux向けドライバをリリースしたことを伝えるCOMPUTER WORLDの記事
- これまでさまざまなバージョンのRedHatとFedoraが混在していたWikipediaの400台のサーバが、Ubuntu 8.04で統一されたことを伝えるCOMPUTER WORLDの記事とそこからリンクされている記事の“win”という表現に対して異議を唱えるブログ記事
- 上記のニュースを受けて、有名な場所で採用されることはUbuntuの普及にとって大きなチャンスとなりうること、そしてビジネスでの採用が増えるとなると普及期に評判を落とさないよう、これまで以上に気をつけなければいけないと述べるCOMPUTER WORLD UKの記事
今週のインタビュー
今週のインタビューでは、Ubuntu Forums Beginners Teamとして約一年の間に5000を越える投稿を行ってきた、イギリスの大学生であるJoeb454にインタビューを行っています。
今週のセキュリティアップデート
10月8日から10月15日までに、下記のセキュリティアップデートが行われました。
- 10月10日
- 10月14日
- 10月15日