Ubuntu Weekly Topics

2014年2月28日号MWCでのUbuntu Phoneの実機・Unity 8・Unity 7の新メニューシステム・OSC Tokyo Spring・UWN#366

MWCでのMeizuとbqの実機展示

先週のアナウンスに続いて、MWCでMeizuとbq製のUbuntu Phoneの展示が行われ、実機の動作状況広く報じられています。

特にMeizu MX3は5.1インチモニタ、Exynos 5410+2GB RAM、フルHDディスプレイ(報じられている限りではシャープ製GCシリコン液晶)を兼ね備えた、ハイエンドAndroidスマートフォンとしても遜色のないモデルとなっています[1]⁠。日本から購入できるかどうかという点や「AndroidモデルをUbuntu Phone化できるのか」といった問題はありますが、MeizuのWebサイトで予約することが可能です。

実際に触ったユーザーや各種報道サイトによる動画を確認することで、現状のUbuntu Phoneの完成度を確認することができます。

Unity 8のプレビューと、Unity 7のメニュー表示

Ubuntu 14.04の開発版で、Unity 8のテスト利用が行えるようになりました。Unity 8はQt/QMLをベースにしたUbuntu SDKベースの新バージョンのUbuntuで採用されるデスクトップ環境です。見た目は既存のUnity 7と近似していますが、中で動いているのはほぼ別物(既存コードのコピー&ペーストで開発されている部分がないわけではない)というものです。

Unity 8は今回リリースされた14.04向けリリースが初のお披露目となります。14.04では「あくまでプレビュー」としての位置づけで、本番は14.10からなので、現状ではとりあえず使える状態になりましたという段階です。Unity 8にはMirが正常に動作する環境が必要となること、また、現状では正常に動作するデスクトップアプリケーションが限られることから、実用的な環境ではありません。

これとは別に既存のUnity 7にも機能拡張が入り、アプリケーションごとのメニュー表示が復活する予定です。

もともとUbuntu(Unity)では2010年頃に「狭い画面でUbuntuを使わなくては行けないこともあるし、最近のモニタはワイド表示なのでタテ表示がとても貴重だ」というような発想(と、デザイン上や各種使い勝手やMac OSに近いレイアウトなどのないまぜになったもの)から、画面の最上部に「Global Menu」と呼ばれるメニューを表示し、アプリケーションウインドウ側はタイトルバーのみとする、という配置が採用されています。

これによりメニューバーの分タテ解像度が稼げていたものの、Windowsに慣れたユーザーにとっては今ひとつ慣れない、画面が大きくなれば大きくなるほどマウスカーソルの移動量が増えてしまう、といった問題もあり、少なくとも唯一解ではないということから、14.04では「アプリケーション側に表示されるメニュー」が選択式で復活することになりました。ただし、単に復活させるのではなく、⁠Locally Integrated MenuLIM⁠」と呼ばれる「ウインドウのタイトルバーに組み込まれたメニュー」になります(つまり、単にメニューバーが復活するのではありません⁠⁠。

OSC 2014 Tokyo/Spring

Ubuntu Japanese Teamは、本日2月28日(金), 明日3月1日(土)に開催されるオープンソースカンファレンス2014 Tokyo/Springに参加します。珍しい(はずの)Ubuntu動作マシンの展示ブース(両日)とセミナー(3月1日)で皆様の参加をお待ちしています。

日程2014年2月28日(金) 10:00~18:00, 3月1日(土) 10:00~17:30
会場明星大学 日野キャンパス 28号館 2F(OSC受付)(多摩モノレール ⁠中央大学・明星大学駅」から大学まで直結。会場まで徒歩6分)
費用無料
内容オープンソースに関する最新情報の提供・展示 - オープンソースコミュニティ、企業・団体による展示・セミナー - オープンソースの最新情報を提供
主催オープンソースカンファレンス実行委員会
協賛明星大学, 明星大学 情報学部
企画運営株式会社びぎねっと
今回のブース
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実機で動作するUbuntu Touchも展示
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UWN#356

Ubuntu Weekly Newsletter #356がリリースされています。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-2120-1:PostgreSQLのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2014-February/002414.html
  • Ubuntu 13.10・12.10・12.04 LTS・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2014-0060, CVE-2014-0061, CVE-2014-0062, CVE-2014-0063, CVE-2014-0064, CVE-2014-0065, CVE-2014-0066を修正します。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
  • 備考:通常のUbuntuのポリシーとは異なり、upstreamのマイナーアップデートをそのまま用いる形での更新です。セキュリティ修正に加えて、マイナーバグの修正も含まれているため、アップデート前と振る舞いが異なる可能性があります。
usn-2121-1:GnuTLSのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2014-February/002415.html
  • Ubuntu 13.10・12.10・12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2014-1959用のアップデータがリリースされています。
  • 中間者証明書の検証を行う際、バージョン1形式の中間者証明書をCA証明書として扱ってしまっていました。この挙動により、本来意図しない形で信頼チェインが構成されてしまいます。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。

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