Ubuntu Weekly Topics

2016年7月15日号Skype for Windows・Bash on WindowsでUnityが動作・UWN#473

Linuxユーザー向けSkypeの新バージョン

Linux向けの更新が停滞していたSkypeに、新しい動きがありました。Ubuntuでは、OSインストール後に簡単にSkypeをセットアップできるよう、Canonicalのpartnerリポジトリ(デスクトップ環境ではあらかじめプリセットされている追加リポジトリ)からskypeパッケージが提供されていましたが、これはWindowsやOS X向けに比べるとかなり古いバージョンで、いくつかの機能が制約されたものとなっていました。

現時点ではアルファ版ではありますが、新しく提供されるようになったLinux向けSkypeを使うことで、最新版クライアントに遜色の無い機能を利用できます。現時点では個別にインストールする必要がありますが、過去のバージョンのSkypeと同じ対応がされるのであれば、Ubuntuをインストールした後に簡単にセットアップできるような準備が行われることが期待できます。

なおSkypeにはWeb版https://web.skype.com/ja/も存在し、こちらもLinux環境から利用できます。

UWN#473

Ubuntu Weekly Newsletter #473がリリースされています。

その他のニュース

  • Bash on Windows上でUnity Desktopを動かしてみたという話題。現時点ではまだ安定には至っていないようですが、これが十分に安定するようになると、⁠Windows 10の上でUbuntuのデスクトップをそのまま動かす」という、非常に便利な環境が現実のものになるかもしれません。
  • Ubuntuの自動アップデート(unattended-upgrades)を、⁠なんとかして月に一度にしたいのだけど上手くいかない]という相談とその回答。セキュリティ脆弱性をある程度追跡でき、かつ、アップデートを月に一度に抑えたいシステム管理者であれば、覚えておくと良さそうです。
  • Ubuntu 16.10でCobblerがうまく動かないというバグに関する相談。Ubuntuにおけるuniverseパッケージのバグ修正の典型例、⁠それDebianで壊れてるからそっちで直せないか相談してくるといいよ、できればDebianからの自動syncが終わるまでに⁠意訳)という回答が行われています。
  • 新バージョンリリースにおける最初の試練、一回目のtest rebuildsが開始されました。test rebuildsは、⁠その時点でリポジトリに登録されているすべてのパッケージを、その時点の開発ツールチェイン類を使ってビルドする」という作業です。これにより、⁠以前のバージョンのUbuntuではビルドできてバイナリも存在していて動作するが、しかし現在の環境ではもう二度とコンパイルすることのできないロストテクノロジー的なパッケージ」の存在の抑制や、ツールチェインの機能不足、未知のバグの叩き出しを行うことができます。16.10ではデフォルトコンパイラがGCC6になる都合から、多くのビルド失敗が発生すると予想されます。test rebuilds後のFTBFS(ビルド失敗)の修正は開発への参加の第一歩としても有効であるため、Ubuntuの開発に興味があればドキュメントを読みつつ、修正パッチの提案等を行ってみてください。

今週のセキュリティアップデート

usn-3028-1:NSPRのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2016-July/003495.html
  • Ubuntu 16.04 LTS・15.10・14.04 LTS・12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2016-1951を修正します。
  • 特殊な入力を受け取った場合に、NSPRがメモリ破壊をお伴うクラッシュを起こすことがありました。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、セッションを再起動(一度ログアウトして再ログイン)してください。
usn-3029-1:NSSのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2016-July/003496.html
  • Ubuntu 16.04 LTS・15.10・14.04 LTS・12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2016-2834を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、NSSを利用するアプリケーションを再起動してください。
  • 備考:upstreamのリリースをそのまま適用したリリースです。コードの更新に加えて、CA証明書の最新バージョンが含められています。また、このアップデータを適用すると、1024bit以下のDH鍵の仕様を抑止するようになります。

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