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2018年4月27日号Ubuntu 18.04 LTS “Bionic Beaver”リリース, Spectre/Meltdown対策(ひとまず)完結編

Ubuntu 18.04 LTS “Bionic Beaver”のリリース

2018年4月26日(現地時間⁠⁠、Ubuntu 18.04 LTSがリリースされました。コードネームは⁠Bionic Beaver⁠(⁠⁠生体工学のビーバー』もしくは『バイオニック・ビーバー⁠⁠)となり、略称としては「bionic」が使われます。Ubuntuにとって7番目のLTSリリースとなります。

bionicは『UnityをあきらめてGNOMEに回帰』してからの最初のLTSリリースであり、特にデスクトップ環境においては、16.04 LTSやそれ以前のLTSからの乗り換えには大きな変更を伴うことになります。

リリースノートと、Ubuntu Weekly Recipe 517回を参照の上、様子を見ながら乗り換えていくのが良いでしょう。当然ながら、アップグレードの前のバックアップと、⁠調べ物ができる、アップグレード対象とは別の端末」の準備はお忘れなく。

なお、18.04 LTSでは、Ubuntuの基本エディションである、DesktopとServerには5年のサポートが提供されます。フレーバーによっては3年サポートの場合や、⁠そもそもLTSではない」ケースもあるので注意してください。

Spectre/Meltdown対策、(ひとまず)完結編

数ヶ月に及ぶ試行錯誤が実るときがやってきました。4月6日号でお知らせしていたマイクロコード更新と、IBPBの有効化にともなう問題が解決し、Meltdown/Spectre対策が一通り利用できるようになりました。これを適用することで、Spectre/Meltdownへの対応が行えることになります。なお、これまでと異なる攻撃手法が発見された場合は、また新たな対策が必要になることも考えられるため、今後も(もちろんSpectre/Meltdownに限らず)セキュリティ情報に注目するようにしましょう。

その他のニュース

  • 本連載の姉妹連載、Ubuntu Weekly Recipeの執筆陣も参加している「team zpn」による18.04 LTSをテーマにした同人誌ざっクリわかるUbuntu 18.04 LTSのダウンロード版の販売が開始されています。
  • これまでお知らせしてきた「Euclid」用カーネル、linux-euclidに公式なセキュリティアップデートが提供されています。現時点では筆者は正確なリリースアナウンスを目にしていませんが、kernel-teamによって、実際に「メンテナンスされている」状態になっていることから、公式なカーネルフレーバーとして追加されたものと考えられます。

今週のセキュリティアップデート

usn-3624-1,usn-3624-2:Patchのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004355.html
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004357.html
  • Ubuntu 17.10・16.04 LTS・14.04 LTS・12.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2016-10713, CVE-2018-1000156, CVE-2018-6951を修正します。
  • 悪意ある入力を行うことで、メモリ破壊を伴うクラッシュを誘発することが可能でした。任意のコードの実行に繋がると考えられます。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-3621-2:Rubyの再アップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004356.html
  • Ubuntu 14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。
  • usn-3621-1でのCVE-2018-1000074への対処が不十分かつ副作用をもたらすものだったため、一時的にこの修正を除去したバージョンです。将来的な改善バージョンで置き換えられる予定です。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-3625-1, usn-3625-2:Perlのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004358.html
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004361.html
  • Ubuntu 17.10・16.04 LTS・14.04 LTS・12.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2015-8853, CVE-2016-6185, CVE-2017-6512, CVE-2018-6797, CVE-2018-6798, CVE-2018-6913を修正します。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-3626-1:Rubyのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004359.html
  • Ubuntu 17.10・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2018-6914, CVE-2018-8778, CVE-2018-8779, CVE-2018-8780を修正します。
  • 悪意ある入力を行うことで、メモリ破壊を伴うクラッシュを誘発することが可能でした。任意のコードの実行に繋がると考えられます。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-3611-2:OpenSSLのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004360.html
  • Ubuntu 12.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-3735, CVE-2018-0739を修正します。
  • usn-3611-1の12.04 ESM用バージョンです。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
usn-3627-1:Apache HTTP Serverのセキュリティアップデート
usn-3628-1, usn-3628-2:OpenSSLのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004363.html
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004364.html
  • Ubuntu 17.10・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2018-0737を修正します。
  • RSAキーの生成時にcache-timingアタックが可能でした。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
usn-3629-1:MySQLのセキュリティアップデート
usn-3630-1:Linux kernelのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004366.html
  • Ubuntu 17.10用のアップデータがリリースされています。CVE-2018-8043を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるため、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-3630-2:Linux kernel (HWE)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004367.html
  • Ubuntu 16.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2018-8043を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるため、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-3631-1:Linux kernelのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004368.html
  • Ubuntu 16.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-13305, CVE-2017-16538, CVE-2018-1000004, CVE-2018-5750, CVE-2018-7566を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるため、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-3631-2:Linux kernel (Xenial HWE)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004369.html
  • Ubuntu 14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-13305, CVE-2017-16538, CVE-2018-1000004, CVE-2018-5750, CVE-2018-7566を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるため、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-3632-1:Linux kernel (Azure)のセキュリティアップデート
usn-3633-1:Linux kernel (Intel Euclid)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2018-April/004371.html
  • Ubuntu 16.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-16995を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるため、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。

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