2020年4月24日号　Ubuntu 20.04 LTS “Focal Fossa”のリリース

Ubuntu 20.04 LTS “Focal Fossa”のリリース

2020年4月23日（現地時間⁠）⁠、Ubuntu 20.04 LTSがリリースされました。コードネームは“⁠Focal Fossa⁠”（⁠“⁠注目を集めるフォッサ⁠”⁠）⁠、通称「fossa」となります。Ubuntuにとって8番目のLTSリリース（5年間サポートのリリース）です。64bit RISC-Vアーキテクチャに対応し、そして「初回からRaspberry Piをサポートする初のLTS」となります。

現在19.10を利用しているユーザーは約3ヶ月以内に、そして18.04 LTSを利用しているユーザーは「18.04 LTSのサポート期間終了までに」アップグレードする必要があります。18.04 LTSから更新する理由がないのであれば、20.04.1のリリースを待ってからアップグレードすることを推奨します。

アップグレードの前には以下のリリースノートを熟読の上、事前にバックアップを取ってから行うことをお勧めします[1]⁠。また、WSL1環境で18.04（または19.10）を利用している場合、問題を回避するためパッチがWindows Updateで提供されてからアップグレードするべきです。

20.04 LTSの新機能については、Ubuntu Weekly Recipe 616回も参照してください。

その他のニュース

「2004年から20.04 LTSまで」と題された、Ubuntuの過去の振り返り企画。いろいろなメディアやドラマ、コミック（古くからのUbuntuのユーザーなら覚えているであろう、懐かしのうぶんちゅ！）と、さまざまな登場シーンが掲載されています。

今週のセキュリティアップデート

usn-4329-1：Gitのセキュリティアップデート

https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2020-April/005392.html
Ubuntu 19.10・18.04 LTS・16.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2020-5260を修正します。
悪意あるサーバーを利用した場合、本来期待される相手とは異なるサーバーにクレデンシャル情報を送出してしまう問題がありました。
対処方法：通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。

usn-4330-1：PHPのセキュリティアップデート

https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2020-April/005393.html
Ubuntu 19.10・18.04 LTS・16.04 LTS・14.04 ESM・12.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2020-7062, CVE-2020-7063, CVE-2020-7064, CVE-2020-7065, CVE-2020-7066を修正します。
対処方法：通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。

usn-4331-1：WebKitGTK+のセキュリティアップデート

https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2020-April/005394.html
Ubuntu 19.10・18.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2020-11793を修正します。
対処方法：アップデータを適用の上、WebKitGTK+を利用しているソフトウェアを再起動してください。

usn-4332-1：File Rollerのセキュリティアップデート

https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2020-April/005395.html
ubuntu 19.10・18.04 LTS・16.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2020-11736を修正します。
ファイルの展開時にディレクトリトラバーサルが可能でした。
対処方法：通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。