AdvantechのUbuntuプリインストールデバイス
AdvantechとCanonicalの連名で、Ubuntuをプリインストールしたエッジコンピューティングデバイスについてのアナウンスが行われています。Advantech製デバイスへの対応は以前から行われていたものではありますが、今回のポイントは「プリインストールにも対応できる」という点で、「箱から出すだけで」Ubuntuを利用できるようになります。主なターゲットはAdvantechが得意とする組み込みデバイスの類(IoT/AIoT)となります。
先週のGigabyteとCanonicalの提携アナウンスに続いて、Ubuntuの世界を広げるプレスリリースとなっています。
Ubuntu 20.04.4のリリース
Ubuntu 20.04の(21.10ベースのHWEを搭載した)ポイントリリース、20.04.4が無事にリリースされています。現時点で20.04を利用している場合は、アップデートによって20.04.4相当になるため、再インストールは不要です。
Vodafoneの「Cloud Smartphone」へのAnbox Cloudの採用
興味深い試みが始まりました。5Gを前提とした、Vodafoneの「Cloud Smartphone」(シンクライアントのスマートフォンバージョン)のテストにおいて、Anbox Cloudが採用されていることをCanonicalがアナウンスしています。
Cloud SmartphoneはMWC BarcelonaにおいてVodafoneが「コンセプトモデル」として展示していたもので、「通常のデバイスと同じ体験を」リッチではないデバイスで実現できる(ストリーミングビデオを再生する機能があれば実用可能。ただし、ネットワーク的には一定の帯域や低レイテンシが実現されている必要がある)というものです。実際の処理はクラウドの先にあるAnbox Cloud側で行われます。
あくまで現状ではコンセプトに留まっており、デバイスに搭載されたカメラやセンサーの利用は『まだ』できないことが示されているものの、「未来のスマートフォン」の姿の一つとなりそうです。
その他のニュース
今週のセキュリティアップデート
- usn-5292-4:snapdの再アップデート
- https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2022-February/006420.html
- Ubuntu 21.10・20.04 LTS・18.04 LTS・16.04 ESM・14.04 ESM用のアップデータがリリースされています。
- usn-5292-1の修正によってfishシェルが機能しなくなっていました。
- 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
- usn-5303-1:PHPのセキュリティアップデート
- https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2022-February/006421.html
- Ubuntu 21.10・20.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-21708を修正します。
- 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
- usn-5304-1:PolicyKitのセキュリティアップデート
- https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2022-February/006422.html
- Ubuntu 21.10・20.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-4115を修正します。
- 悪意ある操作を行うことで、DoSが可能でした。
- 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
- usn-5305-1:MariaDBのセキュリティアップデート
- https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2022-February/006423.html
- Ubuntu 21.10・20.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-46659, CVE-2021-46661, CVE-2021-46663, CVE-2021-46664, CVE-2021-46665, CVE-2021-46668, CVE-2022-24048, CVE-2022-24050, CVE-2022-24051, CVE-2022-24052を修正します。
- MariaDB 10.3.34, 10.5.15のUbuntuパッケージ版です。
- 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
- usn-5307-1:QEMUのセキュリティアップデート
- https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2022-February/006424.html
- Ubuntu 21.10・20.04 LTS・18.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-20196, CVE-2021-20203, CVE-2021-3544, CVE-2021-3545, CVE-2021-3546, CVE-2021-3682, CVE-2021-3713, CVE-2021-3748, CVE-2021-3930, CVE-2021-4158, CVE-2022-0358を修正します。
- 悪意ある操作を行うことで、DoS・メモリ破壊を伴うクラッシュを誘発することが可能でした。任意のコードの実行につながる可能性があります。
- 対処方法:アップデータを適用の上、仮想マシンを再起動してください。
- usn-5306-1:WebKitGTKのセキュリティアップデート
- https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2022-February/006425.html
- Ubuntu 21.10・20.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2022-22589, CVE-2022-22590, CVE-2022-22592を修正します。
- 対処方法:アップデータを適用の上、WebKitGTKを利用したアプリケーションを再起動してください。
- usn-5309-1:virglrendererのセキュリティアップデート
- https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2022-February/006426.html
- Ubuntu 21.10・20.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2022-0135, CVE-2022-0175を修正します。
- 悪意ある操作を行うことで、DoS・任意のコードの実行が可能でした。
- 対処方法:アップデータを適用の上、仮想マシンを再起動してください。