resolute(Ubuntu 26.04)の開発; LubuntuとUbuntu BudgieのX11サポートの行方
resoluteのリリースまであと2ヶ月ほどとなり、各種フレーバーを含めた「基本的な仕様」の整理のための作業が進められています。Feature Freezeは2月19日なので、ここで含められなかった仕様はFFe(Feature Freeze Exception)プロセスによる例外認定を受けてから投入する必要が出てくるため、試行錯誤的な変更がいったん締め切られる時期です。
Ubuntu Budgeでは長らく続けられてきたWaylandへの移行のための各種コンポーネントの置き換えがおおむね完了した(2月10日時点のISOで部品そのものは「リリース版と同じ」状態になった)旨が宣言されており、「おおむねWaylandへの移行の準備ができた」という段階に到達しています。とはいえここから不具合を見つけて直す、といったタスクが必要になるので、「磨き上げるフェーズ」という段階です。Ubuntu Budgieを利用している場合は現状でテストに参加しておくと良いでしょう。
また、Lubuntuにおいては「X11セッションは維持されるのか」という議論が行われています。「Waylandでは動作しない世代のNVIDIAドライバ-」(470世代)や「そもそも最新のドライバでもWaylandが動作しない」ような世代のGPUに依存しているユーザーがresoluteを利用できなくなる、といった方向で議論が進められています。
そもそも論としては「そのような古いGPUは最新のLinuxカーネル上で動作するのか」「そもそもその世代のNVIDIAドライバーはresoluteでどのように配布されるのか」(NVIDIAの470世代のドライバーはそもそも25.10でも公式アーカイブからは配布されていませんし、いつまで正しく動作するのか、セキュリティ脆弱性が出てくるとどうなるのかといった問題が山積みです)といった問題が残っており、あまり簡単に結論が出せる性質のものでもありません。
とはいえLubuntuの場合、「比較的古いハードウェアで利用する」「軽い」といった方向性のディストリビューションでもあるので、現実的な範囲ではX11セッションを維持していくという方向性に着地しそうな気配があります。……しかし、残してしまうとそれはそれで「各種フレーバーがサポートされる期間」=3ないし5年のあいだサポートを継続する必要があり、メリットとデメリットのバランスを取る必要がありますし、どこかで「これが最後のX11サポートバージョン」という宣言を行う必要も出てきます。
ちなみにこうした動きの横では、ソフトウェア開発者向けに「複数のバージョンのPythonをセットアップするにはこうするとよい」といったドキュメントの準備が進められていたり、アップグレード時に表示される各種ガイドが更新されようとしていたり、地味だが重要な仕事のたぐいが順調に進められています。
UbuntuのSpacemiT K3/K1シリーズとNVIDIA Vera Rubinのサポート
SpacemiTとCanonicalの提携が正式に発表され、SpacemiT K3とK1シリーズのプロセッサーがUbuntuでサポートされることになりました。これは昨年から準備されていた動きから予想できたものですが、今回正式に発表になった形です。これで一般的なユーザーにとっては「比較的手に入りやすい値段のRVA23プラットフォームで、Ubuntuがサポートしている」という条件のRISC-Vハードウェアが入手しやすくなります。
SpacemiT K3は60 TOPSの「AIコア」を搭載するRISC-VベースのSoCで、SiPEEDやMilk-Vなどが新製品への搭載を予告しています。60 TOPSはおおむね「現在市場で販売されているAI PC」のNPUと互角ないし上回る(いわゆるAI PCのNPUは48-60TOPS程度)性能で、クライアントPCやエッジAI・IoTのような分野で作業するには十分な性能を持ち、また、32GBメモリを搭載可能、PCIe Gen3x4を拡張ポートとして持つことで、「これまでのRISC-V」の印象よりも高性能な製品ラインとなっています。
またArmの世界では、NVIDIAのVera Rubinシリーズ(Vera CPUとRubin GPUを組み合わせた製品ライン)へのUbuntuのサポートが宣言されています。これにあわせてNemotron 3モデルの配布へ向けた取り組みも発表されており、「Intel環境だけではないUbuntu」が順調に広げられていることがわかります。