Stonking(Ubuntu 26.10)の開発; Snapshot 1のリリースとdbusのトランジション
stonkingの最初のスナップショットリリース、Snapshot 1がリリースされました。
Snapshotはその名の通り「その時点のただのスナップショット」でリリースのための調整は(自動的に処理されるものを除いて)行われておらず、動作が保証されたものでもありません。また、stonkingで行われるであろう大きな変更の多くもまだ反映されていない段階のものなので、テストを行う対象としては時期尚早と言えるものです。趣味的な利用以外、あるいは「26.10の開発に積極的に参加したい」という意思を持っている場合以外では利用するメリットは大きくないでしょう。
この横で、OpenSSL 4系へのトランジションについての現時点での整理が行われています。大きな方針としてまず、26.10でOpenSSL 4系への切り替えを実施したいことが示されている一方、現時点ではまだFTBFS(コンパイルに失敗する)も多く、8月のFeature Freezeまでに「それなりに少ない数になる」ことが期待される状態で、ある程度予想されていた通りまだまだ道は険しそうです。
また、26.04では見送られたdbusまわりの更新、具体的にはdbus-daemonからdbus-brokerへの置き換えが予定されていることが示されており、OpenSSL 4への切り替えとあわせて大きな変化になることが予想されます。
「Ubuntu入り」Windows 365 開発者向けイメージ
Microsoftが開催したBuild 2026において、『Windows 365 with Developer configuration』と呼ばれるWindows 365[1]用イメージとして、「WSL2上のUbuntu」が含まれるイメージが提供されることが伝えられています。
この環境にはVisual Studio Code, Git, GitHub CLIもあわせてセットアップされており、「開発者向け環境」の一部(つまりはLinuxコマンドライン)としてUbuntuが提供されることになります。
また同じタイミングで、Azure Cobalt 200 VMs(Arm64ベースのMicrosoft製SoC上で動作するVM)用のUbuntu・Ubuntu Proが提供されることもアナウンスされています。「いろいろなところで影で使われる」という、最近のUbuntuの典型的な活躍と言えるでしょう。
NVIDIA OpenShell snap
COMPUTEX 2026で、NVIDIA OpenShellランタイムのSnapパッケージ版がリリースされることが発表されています。OpenShellは「AIエージェントを動かすためのサンドボックス」プログラムで、OpenClawなどの「常動型のAIエージェント」を隔離環境で実行するための「ガワ」になるものです。
Snapパッケージとして提供されるため、Ubuntu上では「sudo snap install openshell」を実行するだけでセットアップでき、安定的にアップデートされることが期待できることがアピールポイントです。Snapによる隔離も同時に機能するため、openshell環境そのものに加えて追加的な制御も加わることになります。
その他のニュース
- TPU用のUbuntu Certifiedイメージの提供が開始されています。Google Cloud側のドキュメントはこちら。単に利用できるだけでなく、Q3にはUbuntu Proも利用できるようになることが示されています。
- 26.04のlsコマンドの出力する空白が以前と異なって増えているという話題。
- 「Canonical版」のArm向けのSteam SnapがGAしました。このSnapパッケージは「x64バイナリをFEXを用いてArm64上で動作させる」形で動作するもので、Steam上にあるゲームのそれなりに多くが動作します(DRMがあると動作しない可能性は高く、また、Ubuntu上で動作させる、という別の壁もあるので、すべてのゲームが動作するわけではありません。また、「Canonical版」というのは、「Valveの公式プロジェクトではない」という意味です)。
- Canonical関係者によるInfiniband入門。HPC文脈以外ではほとんど接点がない人も多いであろうInfinibandに入門する場合は役に立つでしょう(Azure上で高性能を出そうとする場合にはRDMAの文脈で少しだけお馴染みかもしれません)。
- Ubuntu Summit 26.04へ参加した人によるレポート。「AIが中心」「開発者はコアであり続ける」「RISC-Vも目立つ」といった内容となっています。