Ubuntu Weekly Topics

Ubuntu 26.10(Stonking)開発; ntpd-rsの導入計画

Stonking(Ubuntu 26.10)の開発; ntpd-rsの導入計画

StonkingのSnapshot 2の提供が開始されています。

SnapshotはUbuntuの比較的新しい風習で、⁠月末時点でリリースISO相当のものを作成し、自動化されたリリースエンジニアリングプロセスを通すことで、⁠リリース時点で初めて発覚する問題』を先に叩き出す」というものです。あくまでも「リリースプロセスのテストのためのイメージ」であり、意味のある節目があるわけではなく、専用のQAが行われているわけでもありません(つまり、Snapshotイメージを用いてテストすることと、Daily buildを用いてテストすることにはほとんど差はありません⁠⁠。

またこのタイミングで、ISOサーバーのファイル構成が更新され、⁠ルートディレクトリにdaily-live/ディレクトリや各種リリース名のディレクトリが並びつつ、さらにubuntu/やubuntu-server/といったものもあり、その下にもdaily-liveや各種リリース名のディレクトリがある」という不可解な(歴史的経緯に満ちた)構造から、⁠ルートディレクトリにはubuntu/やubuntu-server/ディレクトリだけが配置され、その下にリリース名、さらにその下にdaily-liveが連なり、リリース版はすべてreleases/ディレクトリに配置される」という整理された構造に切り替わることになります。

ルートディレクトリにある「daily-live/」をダウンロードして自動テストしている、あるいは「releases/」があることを期待しているような自動処理が存在する場合は注意が必要かもしれません。現状では「テストのため」という側面もあるため、もしもこのパスでは不便な場合はユースケースとともにフィードバックを行うと良さそうです(少なくとも、⁠常に最新の開発版にアクセスする」ためのシンボリックリンクがあることが好ましい、というフィードバックはすでに行われています⁠⁠。

また、CanonicalがTrifecta Tech Foundation[1]のゴールドスポンサーになったことの表明とともに、ntpd-rs(Rust版NTPd)への移行計画の再確認が行われています。

既存の計画の再提示という側面もありますが、以下のことが提示されています。

  • stonking(26.10)段階では、ntpd-rsが「導入されること」を目指す。
  • 27.04において、ntpd-rsが「デフォルトになること」を目指す。
  • IPソケットのサポート、NTPサーバーのマルチスレッドサポート、マルチホームサーバーのサポート、AppArmorおよびseccompプロファイルの提供が行われる。
  • コネクテッドカー文脈で利用される、Generalized Precision Time Protocol(gPTP)での同期も可能になる。

coreutilsの移行では「メモリ安全ではあるものの機能面や細かい振る舞いの互換性が薄い」という問題が見えてきているのですが、少なくとも「NTPサーバー」という観点で見る限りは、異質な移行になる可能性はそれほど高くなさそうです。

また、パッケージの全体的な開発においては、OpenSSL 4系へのトランジションにおいて大量のパッケージが対応できていないことが挙げられており、あらためて6月上旬に提示された移行計画の確認とFTBFSリストのアピールが行われています。

その他のニュース

  • Anboxに追加された「仮想化されたAndroid」イメージが、mesa-2404のSnapパッケージの更新で動作しなくなった話。mesa-2404の構造が微妙に変化したことで起動エラーが生じるようになっていました。現在は元の構造に戻されています。また、回復のための手順が提示されています。
  • 26.04のRISC-V用のDesktop ISOが正常動作していなかった問題の修正が予定されています(Stonking側を直してから26.04にバックポートされる、というお約束のパターンです⁠⁠。
  • 今年の夏のカーネルのSRUサイクルが事前に明示されています。カーネルに起因する問題(かつ、すでに修正がコミットされているもの)がある場合は、このスケジュールでアップデートされることを把握しておく必要があるでしょう。なお、あくまで「予定」であり、変更される可能性があります。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧