Webサーバやメールサーバとして利用するための環境があらかじめ整えられているほか、各種ミドルウェアの運用をサービス提供者側で行うことで手軽に利用できるクラウドホスティングサービスとなっているのが「スマートコネクト マネージドサーバ」です。手軽さだけでなく、CPUやメモリ、ディスクのリソースをIaaSのように柔軟に変更できることがこのサービスの大きな特長です。前編に引き続きその魅力に迫ります。
ロードバランサを使った負荷分散環境を手軽に構築
サーバへの負荷が大きいWebサイトを構築する際、複数台のサーバで負荷を分散する構成はもはや珍しくありません。このようなWebサイトによく利用されているのは、自由に仮想サーバを組み合わせて利用できるIaaSです。ただ、IaaSはユーザ自身でOSや各種ミドルウェアをインストールする必要があるほか、パッチの適用といった運用作業もユーザの責任で行わなければならないという難点があります。とくにサーバ運用の経験が浅いユーザにとっては敷居の高さを感じる部分でしょう。
そこでぜひ活用したいのが、NTTスマートコネクトが提供する「スマートコネクト マネージドサーバ」です。前編で解説したように、同サービスはIaaSの柔軟性の高さとレンタルサーバの手軽さを併せ持つクラウドホスティングサービスです。ロードバランサを利用した複数台構成も、セットアップの複雑さや運用の手間を感じることなく実現できます。
複数台構成によるWebサーバの負荷分散を行うには、オプションとして提供されているロードバランサを利用します(図1)。これで外部からの接続がロードバランサに集約され、外部から接続があった場合には接続数の少ない、つまり負荷の低いWebサーバに自動的に振り分けられます。これにより、アクセス数が増大しても高いレスポンスを維持できます。
コンテンツ同期機能が利用できることもポイントでしょう。ロードバランサによる負荷分散環境では、当然ながら各Webサーバのコンテンツを同期しておく必要がありますが、個々のWebサーバに個別にコンテンツをアップロードするのは手間がかかります。通常であれば別途スクリプトなどを用意してコンテンツを同期することになりますが、スマートコネクト マネージドサーバならコントロールパネルからワンクリックで同期できるため手間がかかりません。
セキュアにサーバ間を接続するプライベートネットワーク接続
契約した複数のサーバ間をLAN経由で接続できる、プライベートネットワーク接続をサポートしていることも本サービスの特長です。たとえばWebサーバとデータベースサーバを分けて構築する場合、インターネットに接続している回線の影響を受けることなく、LANを利用してそれぞれのサーバを接続できるようになっています。サーバへのアクセスをLANからの接続のみに制限することにも対応しているため、データベースサーバをLAN接続に限定してセキュリティを高めるといった使い方もできます。
セキュリティの観点では、標準でサーバファイアウォール機能が提供されていることもポイントです。とくに、昨今ではサーバへの不正アクセスによるWebサイト改ざんの被害が増えているため、管理用に利用するFTPやSSHのポートへのアクセス制限は欠かせません。こうした設定をコントロールパネルから手軽に行えるのは便利です。
多様なニーズに対応できる魅力的なホスティングサービス
前編で解説したように、スマートコネクト マネージドサーバはCPUやメモリ、ディスクといったリソースを柔軟に調整できます。ロードバランサを利用した複数台構成も容易で、アクセス数の増減に柔軟に対応できます。
とくにキャンペーンサイトなどの場合、アクセス数を事前に把握するのは難しく、利用するサーバの構成を決めきれないケースが少なくありません。アクセス数が少なければ1台のサーバを複数のユーザで共用するレンタルサーバでも対応できますが、アクセス数が増大した場合に打つ手がないという致命的な問題があります。一方、IaaSであればリソースを細かく制御できますが、運用負荷が増大してしまうのが難点です。これに対してスマートコネクト マネージドサーバは、運用負荷を軽減しつつアクセス数の増減にも柔軟に対応できる理想的なサービスとなっています。Webサイトをホスティングするサービスを探しているなら、ぜひ同サービスを活用してみましょう。
Webサイト構築の“プロ”が語るホスティングサービス選びのポイント
構築したWebサイトのホスティング先として、「スマートコネクト マネージドサーバ」を利用しているのがプラスデザインカンパニーです。同社のエンジニアである松井啓介氏(写真)に、本サービスを実際に利用して感じた優れた点や便利なポイントを伺いました。
直感的に利用できるコントロールパネルを装備
多くのレンタルサーバやIaaSでは、サーバの設定を行うしくみとしてWebブラウザで利用するコントロールパネルが提供されています。ただ、サービスによってコントロールパネルのインターフェースや設定できる項目に違いがあり、“実際に契約して使い始めてみたところ使い勝手が悪かった”、あるいは“必要な設定項目がなく不便を感じた”といった経験を持つ人は多いでしょう。とくにサーバ管理に携わるエンジニアにとっては、コントロールパネルの善し悪しは運用の手間を大きく左右することになるため、気になるポイントの1つだと言えるのではないでしょうか。
それでは、スマートコネクト マネージドサーバのコントロールパネルの使い勝手はどうなのでしょうか。実際に同サービスを利用しているプラスデザインカンパニーのチーフエンジニア/サーバエンジニアである松井氏は、次のように話しました。
松井氏「何が起こるのかがわかりづらい、つまり先の読めないコントロールパネルを操作するのは怖いですし、使いづらさを感じます。ある設定を変更したことでWebサイトへの接続が途切れる、といったことになってしまうと目も当てられません。その点、スマートコネクト マネージドサーバはわかりやすく、それを設定することで何が変わるのかがイメージできるので使い勝手は非常に良好です。おそらく、何らかのホスティングサービスでコントロールパネルを使った経験があるユーザであれば、マニュアルをそれほど読み込まなくても直感的に利用できるのではないでしょうか」
スマートコネクト マネージドサーバで提供されている機能の1つに、外部からの通信を制御できるサーバファイアウォール機能があります(図2)。ファイアウォールはセキュリティ確保において欠かせないしくみである一方、間違えて設定すればサーバに接続できないといったトラブルに発展しかねません。しかし松井氏は、同サービスのサーバファイアウォール機能はシンプルで簡単に使えるので便利だと評しました。
松井氏「とにかくシンプル。必要最小限のことがすぐにでき、何も考えずに使える。Webサイトのホスティング用途であれば、基本的にTCPの80番と443番のポートを開き、FTPとSSHは特定のIPアドレスだけを許可するのが一般的です。サーバファイアウォール機能は、こういった設定を素早く簡単に行えるため、使い勝手はよいと感じました」
安心して使えることもサービス選びのポイント
さらに松井氏は、サーバエンジニアとしてスマートコネクト マネージドサーバを評価する理由として、このように便利なしくみが用意されていることに加え、適切にサービスが運営されていることに対する安心感を挙げました。
松井氏「とくにレンタルサーバの場合、ミドルウェアのバージョンが古いままで、いつまで待ってもバージョンアップが行われないといったケースが少なくありません。しかしスマートコネクト マネージドサーバはしっかりアップデートが行われていますし、また機能強化にも積極的です。このようにサービスが運営されているところを見ると、安心して使えますよね。またサポート体制もしっかり整えられていて、困ったことがあれば電話やメールですぐに相談できるほか、オンラインマニュアルがしっかり整備されていることもありがたい点です」
長くWebサイトを公開することを考えた場合、便利な機能が提供されている、あるいはコストパフォーマンスが高いというだけでなく、しっかりサービスが運営されているかどうかは重要なポイントでしょう。そういった観点から見たとき、本サービスは安心して使えるサービスになっているというわけです。
このようにプラスデザインカンパニーでは、スマートコネクト マネージドサーバを高く評価しており、顧客のWebサイトのホスティング先などとして大いに活用しています。
- 問い合わせ先:NTTスマートコネクト株式会社
- TEL:0120-194-238
URL:http://mngsv.nttsmc.com/