進化するネットギアReadyNASシリーズ─その機能と使いどころ

中小企業でも導入しやすいラックマウント型ネットワークストレージ――ネットギア「ReadyNAS 3100」

1Uラック対応NASの決定版!

ストリーミングデータや、音声ファイルなどが多様化する現在のビジネスシーンでは、作成するドキュメントのサイズも以前と比べて増大し続けています。数GB、あるいは数十GBのディスクを共有するだけで十分だった頃に比べ、ストレージが圧迫されて早急に解決策を見つける必要がある企業も多いはずです。

また、近年の新しい動きとして、クラウドで配信される電子書籍をはじめとする新たなビジネスへのチャレンジに注目している企業も多いはずです。これまで、システムのストレージとして要求していたニーズは次第に高まり、容量だけでなく可用性や管理性を高める必要性も強まっているのです。

課題を解決する、あるいは将来のビジネス拡大に備えるためのビジネスユースにぴったりのネットワークストレージ(NAS)が、ネットギアの「ReadyNAS 3100」です。ラックマウントによるメンテナンス性の向上に加え、ブラウザ経由で簡単におこなえる容易な管理性など、扱いやすいNASでありながら、ビッグビジネスにも対応できる機能など、企業にとって注目したいメリットが満載の製品です。

図1 ReadyNAS 3100
図1 ReadyNAS 3100_Left.tiff

優れた冗長性とメンテナンス性

ReadyNAS 3100は、1UラックマウントタイプのNASです。ホットスワップ対応の4つのスロットにそれぞれ2TBのHDDを搭載することができ、合計で8TBの容量を確保できます。ネットギア独自の規格としておなじみのX-RAID2に加えて、RAID0、1、5も選択可能です。

なお、ファイルサービスのプロトコルは、Windows、MaxOS Xで使われるCIFS/SMB/WINS、MaxOS 9/XのAFP3.1のほか、Linux、UnixのNFSv2/v3となっています。もちろん、HTTP/HTTPS/FTP/FTPS/Rsync/WebDAV、SANで用いられるiSCSIにも対応しており、ビジネスシーンで一般的に用いられるプロトコルは網羅されています。

図2 ホットスワップ対応のスロット
図2 ホットスワップ対応のスロット
図3 システムの状態を知らせるインジケータ
図3 システムの状態を知らせるインジケータ
図4 背面のインターフェース
図4 背面のインターフェース
図5 本体上部の2つのラッチを押し込むだけでカバーの開閉が行えます。容易なメンテナンス性が確保されているのも魅力です
図5 本体上部の2つのラッチを押し込むだけでカバーの開閉が行えます。容易なメンテナンス性が確保されているのも魅力です

基本機能の充実はもちろん、ReadyNAS 3100のハードウェア的な特長として、2重化された電源ユニットを搭載している点があげられます。一般的なNASのハードウェアトラブルで代表的なトラブルの1つに電源ユニットの不具合によるシステムダウンがあります。通常の電源ユニットは、何かしらのトラブルが発生した場合、システム全体に影響を及ぼします。しかし、2重の電源ユニットは、通常作動時はそれぞれが50%ずつの電源供給を行い、どちらか一方がトラブルでストップした場合でも、もう片方が100%の電力を供給するため、システムを停めずに稼働を続けることができるのです。

これにより、電源ユニットに起因するトラブルを、ほぼ100%近く防ぐことができるようになっています。ファイルサーバは停められない性質を持っているので、この仕様を採用した製品が与えてくれる大きな安心感は非常に魅力です。

図6 通常通電時はグリーンランプ
図6 通常通電時はグリーンランプ
図7 電源ユニットが異常を感じるとオレンジランプが点灯しブザー音が鳴ります
図7 電源ユニットが異常を感じるとオレンジランプが点灯しブザー音が鳴ります
図8 電源ユニットは引き抜くことができます
図8 電源ユニットは引き抜くことができます
図9 電源ユニットを引き抜いたところ
図9 電源ユニットを引き抜いたところ

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コンシューマモデルと変わらない容易な管理性

企業利用の場合、ファイルサーバの管理は非常に重要になってきます。情報共有のみならず、コンプライアンスにも関わる情報が多く保存されることになるからです。高度なセキュリティを持つファイルサーバを運用するには、専用の管理者を用意するケースもありますが、中小企業ではそのような専属人員を確保することは、コスト的にも負担が多いことも事実です。

ネットギアの製品で使われる管理ツールには、⁠RAIDar」という検出・監視エージェントが付属します。このツールは、基本概念がコンシューマモデルを含め、全製品共通となっているので、複雑な操作やコマンドを覚える必要もなく、効率的で容易な管理を実現することができます。

管理者は、自分のPCに「RAIDar」をインストールし、起動させた同ツールからネットワーク上にあるNASを検出します。RAIDarで検出後はブラウザ経由であらゆる管理が行えるようになるのです。

基本的に行う操作はチェックボタンのオンオフや、フォルダやグループ名を入力するといったシンプルなものです。それでいながら、アクセス権限設定や、フォルダの容量設定など、ビジネスシーンにおいて必要となるセキュアな情報共有プラットフォームが構築できるというわけです。

図10 検出・監視エージェントの「RAIDar」からネットワーク経由でNASにアクセスします(見つかったNASをダブルクリックして管理コンソールを起動します)
図10 検出・監視エージェントの「RAIDar」からネットワーク経由でNASにアクセスします(見つかったNASをダブルクリックして管理コンソールを起動します)
図11 管理ツールにアクセスするにはIDとパスワードを入力します。パスワードは後から変更できます
図11 管理ツールにアクセスするにはIDとパスワードを入力します。パスワードは後から変更できます

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GUIで直感的な操作が可能な管理ツール

それではここで、ReadyNAS 3100の管理ツールの概要をご説明しておきましょう。画面キャプチャをご覧いただくだけで、すぐに直感的な操作が可能なことがおわかりいただけるはずです。

図12 これが管理ツールのホーム画面です。ホスト、モデル名やファームウェアのバージョン、現在のIPアドレス、RAIDの適用状況などが確認できます
図12 これが管理ツールのホーム画面です。ホスト、モデル名やファームウェアのバージョン、現在のIPアドレス、RAIDの適用状況などが確認できます
図13 ⁠ネットワーク」では、イーサネットポートの各種設定や、ホスト名の設定、WINS、DHCPなどの設定を行います
図13 「ネットワーク」では、イーサネットポートの各種設定や、ホスト名の設定、WINS、DHCPなどの設定を行います
図14 ⁠セキュリティ」は、管理者パスワードや、ユーザーアカウントの登録などが行えます
図14 「セキュリティ」は、管理者パスワードや、ユーザーアカウントの登録などが行えます
図15 ⁠サービス」では、プロトコルの設定や、アドオンソフトウェアの確認が行えます
図15 「サービス」では、プロトコルの設定や、アドオンソフトウェアの確認が行えます
図16 ⁠ボリューム」はインストールされているディスクの管理やRAID設定、ディスクの使用状況の確認などができます
図16 「ボリューム」はインストールされているディスクの管理やRAID設定、ディスクの使用状況の確認などができます
図17 ⁠共有」では、ディスクの共有の管理が行えます
図17 「共有」では、ディスクの共有の管理が行えます
図18 ⁠バックアップ」では、バックアップ先や実行タイミングの設定などが行えます。アップルのタイムマシンにも対応しています
図18 「バックアップ」では、バックアップ先や実行タイミングの設定などが行えます。アップルのタイムマシンにも対応しています
図19 ⁠システム」は、トラブル発生時の警告メール通知設定や、NASの設定のバックアップリストアが行えます。設定を保存しておけば、機器の交換後もすぐに利用を再開できます。
図19 「システム」は、トラブル発生時の警告メール通知設定や、NASの設定のバックアップリストアが行えます。設定を保存しておけば、機器の交換後もすぐに利用を再開できます。
図20 ⁠状態」では、動作状況とログの確認が行えます。ログはダウンロードすることが可能です。
図20 「状態」では、動作状況とログの確認が行えます。ログはダウンロードすることが可能です。

「サービス」の項で少し触れたように、アドオンソフトウェアが扱えるのは大きな魅力です。プリインストールされているネットギアの「ReadyNAS Remote」を使えば、簡単に外部からNASへのアクセスも可能になるほか、用途に合わせてサードパーティのアドオンソフトウェアをインストールすることもできます(サードパーティー製のアドオンはサポート対象外⁠⁠。

こうした各種設定や管理を、特別な知識がなくても行えるのは、あらゆる企業に大きなメリットをもたらします。特に、専用部署や専属人員の確保が難しい中小企業においては高いコスト削減効果が期待できます。これも、ReadyNAS 3100の大きな特長といえるでしょう。

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システムの拡充、新しいチャレンジにぴったりのネットワークストレージ

ReadyNAS 3100は、iSCSIに対応しているので既存のデータベースシステムへインストールする場合でも、すぐにファイルサーバやローカルストレージを構築できる高い柔軟性も魅力です。一見、複雑そうに思える設定も先ほど説明したようにGUI操作で簡単に行えます。また、VMware社からVMware Readyとして認定されていることからもわかるように、仮想化環境のストレージとしてもフルにパフォーマンスを発揮してくれます。

これまでのファイルサーバに何かしらのネックを感じている企業や、これからネットワークストレージへの要求が高まるビジネスにチャレンジしている企業にとって、ReadyNAS 3100は、様々な恩恵を与えてくれることがおわかりになったかと思います。

特に電源ユニットの2重化に代表される高い冗長性、RAIDarやGUIの管理ツールなどは、実際の運用時に特に威力を発揮してくれます。加えて基本性能が充実しているので、将来のシステム拡張に向けてのベースとしてもよい製品でしょう。

また、これだけの使いやすさと高い機能を持ちながら、5年間の無償保証(出荷時搭載のHDDを含む)がついているのも心強いところです。長期間の保証は、コストパフォーマンスを求める企業にもうれしい設定です。

ReadyNAS 3100の価格はオープン(市場価格は8TBモデルで64万8,900円※筆者調べ)となっています。ストレージは企業システムのデータ管理を担う重要なポジションにあります。将来を見据え、安心した運用・管理が行えるNASを検討しているなら、ぜひ候補に加えていただきたい製品です。

協力/ネットギアジャパン株式会社

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