最近は中国、ロシア、東欧がネット犯罪の拠点として悪名高いが、米国内にも「スパムの巣窟 the cessppol of Spam」と呼ばれている州がある。"The King of Spam"の称号(?)をもつ男・Alan Ralskyの本拠地、デトロイトのあるミシガンだ。Ralskyが1日に発信するスパムは1億通とも言われており、複数のドメインを駆使して世界中に送りつけている。内容といえば、格安バイアグラやダイエット商品、懸賞、不動産の案内、それに「自宅でカンタンに稼げます!」といった類の仕事紹介など。ミシガンに着せられた汚名はRalskyによるところが大なのだ。
Ralskyは非常にめずらしいタイプのspammerだといわれる。彼はこれまで実名&顔出しで何度もメディアの取材も受けてきており、自らをspammerではなく"commercial e-mailer"と名乗っている。スパム業者の集会なども進んで主催し、公の場に出ることを厭わない。2002年、"The Detroit News"のインタビューでその不遜な態度、そしてスパムビジネスで得た瀟洒な邸宅(7万5,000ドル相当)が明らかになったとき、我慢できなくなったSlashdotの住人たちが、Ralskyの名前で一斉に大量のDM/カタログ請求を行い、彼の自宅を紙と本の束で埋め尽くすという事件があった。このときRalskyは「あいつら、頭がおかしいんだよ。私へのひどい嫌がらせだ These people are out of their minds. They're harassing me」とコメントしている。なるほど、これくらい自分のことを棚にあげられる神経なら、実名報道でも平気なのだろう。